2024年12月26日( 木 )

九州の四半期の有効求人倍率1.43倍、求められる企業側の採用戦略

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 超売り手市場といわれる人材雇用情勢。福岡労働局では、九州・沖縄ブロック各労働局における四半期(2017年7~9月)分の雇用情勢を公表している。
 これによると、ブロック全体の有効求人倍率(季節調整値)は、0.02ポイント上昇し1.43倍となった。地域別で見ると、最も倍率が高いのは熊本県で1.78倍(0.04ポイント減)。福岡は0.02ポイント上昇し1.39倍だった。
 正社員のみの有効求人倍率(原数値)は、全体で0.14ポイント増の0.87倍。大分の1.06倍(0.18ポイント増)が最も高く、沖縄の0.48倍(0.08ポイント増)が最も低かった。どの地域でも前期比を上回り、正社員の求人増加がうかがえた。
 新規求人数は全体で0.9%増加。佐賀では8.0%、長崎や福岡では4.0%前後増加であったのに対し、沖縄では6.4%減、熊本では4.8%減となるなど、地域差がみられた。
 新規求職者はブロックで1.5%増。熊本や宮崎が4.5%以上増加しているのに対し、佐賀は1.2%減、大分は1.0%減となった。

 雇用の質改善策としては、基本給の引き上げや手当の新設・増額などの賃金の改定が多く聞かれた。また、65歳以上の人材の雇用を促進する動きもあり、全国的なアクティブシニア層活用の動きが九州でも高まっていることをうかがわせる。
 賃金の引き上げは、短期的には有効かもしれないが、多数の企業がいっせいに引き上げると効果が薄れる。賃金以外での魅力を打ち出すため、労働環境の改善などに力を入れる中小企業も増加している。
 AIの台頭などで数年後には落ち着くと見られる採用氷河期だが、しばらくは人材不足が続く可能性が高い。どんなに優良な企業でも、人材がいなければ成り立たない。人材を確保のため、企業側がどのように対応していくかが課題となる。

 

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