奇跡のJ1昇格 V・ファーレン長崎 高田明社長の目指すものは(4)
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(株)V・ファーレン長崎 代表取締役社長 高田 明 氏
Jリーグ・J2は毎シーズン有力チームが入れ替わり、当初有力視されていたチームが下位に沈み、ノーマークの弱小チームが躍進するドラマが繰り返されている。とくにJ1への昇格争いは、「まさか」の声が漏れるような快進撃や大逆転劇が相次ぐ、世界でも稀に見る過酷な戦い。2017年4月に高田明氏が代表に就任したV・ファーレン長崎の昇格劇は、そのなかでも白眉といえるだろう。立役者の1人である、高田明代表に話を聞いた。
「あと5cm」が運命を分けるサッカーの厳しさ、面白さ
高田 実際、V・ファーレンが昇格すると思ってなかったでしょ?
――昨年6月の段階では「福岡は何とかなるでしょうけど、長崎さんは大変ですね」って話していたんですよ。前回のインタビューは、最後に「夢は見れば叶う」というお話をうかがって締めたんですが、長崎の夢は叶いましたね。
高田 自動昇格がみえてきたころ、ちょうどアビスパさんを追い越せなかったんですよね。しばらく3位で、下からは名古屋さんが上がってきて。どちらもJ1経験のあるチームですから、これはどうなるかと思っていました。2位になってからは落ちずに行くことができました。でも、アビスパも惜しかったですね。
――そうなんですよ。最終節で勝ち点を取れていれば、プレーオフ決勝で引き分けでも昇格できたわけですから。
高田 プレーオフ決勝では、山瀬功治選手のシュートがバーに当たって真下に落ちて。ちゃんと他の選手も詰めていましたから。あれが入っていればJ1に行けるところでしたからね。
――アビスパ側はどうしても点を取って勝たなければいけなかったですから。あのシュートが5cm低ければ。でも、本当はその5cmに期待するんじゃなくて、その前に1試合でも勝っていれば良かったんですけどね……。
高田 そこがやっぱりスポーツなんですよね。ゴルフでもそうです。4日間で72ホール回って、勝負が決まるのは1打でしょう。「あのときのパターが……」という試合ばっかりですからね。もちろんタラレバを言ってはいけないんですが。でも長崎も、千葉との試合で最後10秒くらいで点を取った試合がありました。それが積み重なっているんですよね。
――はい、その1年分の積み重ねが最後に出るんですよね……。
スポーツの役割は夢と生きがいを発信すること
――最後に、18年の抱負をお願いします。
高田 サッカーというもの、スポーツというものが人の人生にとってどういう役割があるのかということをみんなで考えながら、頑張っていくチームにしたいですね。勝った負けただけではワクワク感が出てこないでしょう。勝つことは手段なんですよ。目的を達成する手段ですね。目的は、子どもたちの夢を育み、シニアの方々には生き甲斐を、そして長崎から平和の尊さを発信し、元気で明るく、楽しく長生きする人生を皆さまに提供することです。これが、ビジネスとサッカーに共通するミッションだと思いますね。
(了)
【深水 央】<COMPANY INFORMATION>
代 表:高田 明
所在地:長崎県諫早市多良見町化屋1808-1
設 立:2006年6月
資本金:3億4,000万円
売上高:(17/1)7億4,900万円関連記事
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