今度は産廃の不法投棄、違法ゴミ受け入れ疑惑が浮上~和幸商会
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関連2社で一部の役員が私文書偽造などを行い、違法に役員変更、増資を行なっていたことが関係者への取材で判明した金隈産廃処分場運営の(株)和幸商会(福岡市博多区、箭内伊和男代表)に今回新たな疑惑が浮上した。搬入業者による処分場への不法投棄および和幸商会の不法ゴミ受け入れだ。処分場に通常営業時間外である早朝、特定のトレーラーが出入りし、さらに降ろしたゴミには土砂をかぶせるという隠ぺい工作も行なわれているという。3月某日、福岡市は搬入されようとした違法ゴミを確認。搬入業者を注意し、ゴミを持ちかえらせたことがわかっている。
産業廃棄物最終処分場には、「安定型」と「管理型」とに大別される。安定型では風雨にさらされても変化しない物質(廃プラ、ゴム、金属、ガラス・コンクリート・陶磁器・がれきの安定5品目)が埋め立て処分される。管理型はその反対で、紙くず、木くずなど経年変化する物質が埋め立て可能対象となっている。渦中の和幸商会は「安定型」産廃処分場であることから、本来なら安定5品目しか受け入れできない。
しかし、和幸商会が運営する金隈産廃処分場では、木くずや紙くずが混ざった混合型産廃を受け入れている疑いがある。情報提供により、3月中旬取材班が現地で確認したところ、通常営業時間外の午前7時に県外ナンバーのトレーラーが処分場に到着。ゴミの荷降ろしを行っているところを確認した。木くずや紙くずの混じった産廃がコンテナから降ろされていたことから、福岡市産廃指導課に連絡。後日、同課も早朝に処分場に立ち入り調査を実施。同じく木くず・紙くずの混じった「管理型」廃棄物がコンテナに積載されていたことを確認し、搬入業者に持ち帰らせたという。なお、同課は搬入業者については、社名を明らかにしていない。
関係者の話によると、不法投棄は今年1月ごろから継続的に行われており、通常営業時間外の早朝や土曜日などに搬入していることが多いという。不法投棄が行われた場合、搬入業者に委託基準違反、マニュフェスト虚偽記載、受け入れ側も無許可事業範囲となり、違法処理が疑われる。和幸商会は昨年11月に違法処理をめぐる改善命令が解けたばかり。同じことを繰り返している。
では、なぜ管理型のゴミを安定型処分場に持ち込むのか。それは処理費用が大きく異なるからだ。業界関係者によると、福岡県の場合は安定型処分場の処理費用は1立米あたり2,500円から4,500円。管理型処分場での処理費用は1立米あたり2万5,000円から3万5,000円と8倍から10倍に跳ね上がる。搬入業者は、排出業者から「管理型」として高額な処理費用を請求しながらも、安価な「安定型」処分場へ違法に処理している可能性が高いという。
【東城 洋平】
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