2024年12月22日( 日 )

福岡空港で自動運転バスのデモンストレーション開催

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自動運転区間は運転手が手を離した状態で走行

 26日、福岡空港で自動運転バスのデモンストレーションが行われた。今回の試乗会は、5月8日~10日に福岡国際会議場および福岡サンパレスで開催される「アジア太平洋地域ITSフォーラム 2018福岡」(以下、ITSフォーラム)に先駆け、報道機関向けに実施されたもの。

 車両は、自動運転技術を研究・開発する先進モビリティ(株)(本社:東京都目黒区、青木啓二代表)が市販の小型バスをベースに改造した「日野ポンチョ」。全長6.99m×全幅2.08m×全高3.10m、定員は22名となる。ソフトバンクグループのSBドライブ(株)(本社:東京都港区、佐治友基代表)と共同し、車両には360度全方位をカバーできるセンサーやカメラが搭載され、車両の周辺を感知。走行中に物体が現れれば、状況に応じて自動で減速や停車、回避を行う。車体の下にもセンサーが設置され、トンネルなどGPSの届かない場所でも走行可能となっている。

 車内には(株)SpiralMind(本社:東京都品川区、鎌田卓代表)が提供する「アバターテレポーテーション技術」を用いた「バーチャルオペレーター」を設置。「バーチャルオペレーター」は東京のオペレーターの声や表情と連動しており、車内外の様子を監視しながらバスガイドを務めた。

 ITSフォーラム実行委員会の浦正勝事務局長は、「全自動バスの実用化は、地域公共交通のサービスの方向性を見出すために非常に重要。試乗を通して、今後の公共交通システムやその課題についても感じていただければ」と話した。

 また、小川洋福岡県知事は、福岡空港で近年国際線利用者が増加していることにともない、国内線と国際線の連絡バスが増加している一方、運転手の確保が難しい状況や、県内における路線バスの減便や廃止、高齢者ドライバーの免許の返納などに起因する、中山間地域における高齢者の生活の足の確保という課題を挙げ、「自動運転技術によって、これらの課題が解決できないか可能性を探っていきたい」と話した。

 今回のデモンストレーションでは、福岡空港内の国内線・国際線ターミナル間連絡バスルートをレベル3(条件付き自動運転)で走行。設置機器の小型化などの課題などもあり、まだ商用化には至らないが、実用化に向けての試験や開発が進んでいる。

小川洋県知事も駆けつけた

乗客の動きを監視するサンサーを搭載

【中尾 眞幸】

 

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