毎月数百万円、パチンコで動くお金の色々
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「『趣味はパチンコ』で出ていくお金」
パチンコ・スロットは「遊技」と位置づけられているが、実際に“遊び”感覚でパチンコ・スロットを打っている人間がどれだけいるだろうか。遊技業界では幾度となく規制強化が行われてきたが、そのことがパチンコ・スロットが単なるお遊びではないことを暗に物語っている。
今年2月、「風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律施行規則および遊技機の認定および型式の検定などに関する規則の一部を改正する規則案」(以下、改正風営法)が施行された。これまで以上に射幸性の抑制=ギャンブル性の低減に力が注がれた内容で、パチンコ・スロットで大当たりが続く、いわゆる「連チャン」が難しくなったほか、一回の大当たりで得られる出玉・メダルの数も少なくなった。要は“勝ちづらくなった”のである。改正風営法の施行を機にパチンコ・スロットをやめた元遊技愛好者に、収支データを見せてもらった(下図はそれぞれ改正風営法施行前のもの)。
勝っている月も、負けている月も、どちらもグラフの波が荒いことは一目瞭然。そのほかの月の収支も見せてもらったが、一番驚いたのは毎月100万円近い金額を使っていることだ。無論、この元遊技愛好者の収支結果が一般的な遊技愛好者のそれと同様とは言い難い。しかし、1度の来店で1~2万円使うパチンコ・スロットが、はたして日常的に楽しめる遊技といえるのだろうか。
「新台入替で500万円」
あるパチンコホール経営者に話を聞く機会があった。興味があったのは、パチンコ・スロット台の新台入替でいくら使うのか。経営者のAは「毎月2回新台入替をしますが、費用としては月500万円ぐらいですかね。単純計算で、最低でも年6,000万円はメーカーと取引していることになります」と話す。
Aの経営するパチンコホールは決して大規模店舗ではない。1,000台近く設置している大型のパチンコホールであれば、新台入替だけで毎月1,000万円近い金額が動くことも珍しくないのではないか。A経営のパチンコホールと、先述の元遊技愛好者のケースで考えてみよう。パチンコホール側が新台入替で月500万円出費したとしても、パチンコホールで月100万円使っている遊技愛好者が5人いれば、それだけでパチンコホール側は元を取れてしまう。仮に来店客の遊技代金で費用を賄えなかったとしても、パチンコ・スロット台を売却することで得られる売却益を考えれば、新台入替の出費がまかなえないことのほうが稀であるといえるのかもしれない。
「中古市場も整備されているので、パチンコホール側が在庫を抱えるといったこともそう多くはありません。また、遊技業界は中古のほうが新品よりも値が張ることが多々ある、珍しい業界でもあります。私の経験でいうと、数十万円で購入したスロット『北斗の拳』が、数百万円で売れたことがあります」。中小規模のパチンコホールでも、毎月数百万円が右から左へ動く遊技業界。今回の改正風営法の施行で「業界は終わる」との声も聞こえてくるが、それはパチンコ・スロットにマイナスのイメージを抱いている人たちの、たんなる願望に過ぎないのかもしれない。
【代 源太朗】
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