2024年11月24日( 日 )

映像広告を効果的に配信 デジタルサイネージで新たな情報発信を(後)

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(株)アプスシステム

最適な情報発信のため動線や設計も考慮

複数の液晶モニタを組み合わせた大画面から、飲食店の卓上に置かれたタブレット型端末まで、さまざまなデジタルサイネージが日常生活に浸透している
▲複数の液晶モニタを組み合わせた大画面から、
飲食店の卓上に置かれたタブレット型端末まで、
さまざまなデジタルサイネージが日常生活に浸透している

 そこに一石を投じるのが、(株)アプスシステムの柴田尊明社長だ。同社は公営競技場や会議場・宴会場などのマルチディスプレイ設備や映像システムの納入、保守、運用から液晶ディスプレイなどの機材レンタルまで幅広く手がけている。

 「同じデジタルサイネージを使った情報でも、たとえば公営競技場と大型商業施設とは大きく異なるところがあります」と語る柴田社長。それは、見る側の姿勢と意識だ。「公営競技場のレース情報は来場する方の興味に直結するものですから、ファンの方は食い入るように見る。でも、たとえば大型商業施設のエレベーターホールでセール情報を流しても、前を通るお客さんはそこまで注目しません。足を止めて見てもらうにはどうするか、そこにノウハウがあるのです。公営競技場などの場合は、デジタルサイネージや液晶モニターの配置には来場者の動線も考慮に入れる必要があります。こういう場合は、設計から携わることも多いですね。映像を確認して、窓口で投票券を購入するという行動の繰り返しになりますから、配置場所を考えないと素通りになってしまいます。少し滞留しやすい場所に設置します」(柴田社長)。

 情報を流す側が見てほしいものと、受け手側が見たいものには往々にして乖離がある。そこをどう埋めて「見てほしいものを見せる」ことができるか、というのはデジタルサイネージの動画ならずとも広告の肝といえる部分だ。この「肝」は媒体の進化とともに変わっていくが、新しい広告媒体であるデジタルサイネージでのノウハウはまだまだ認知されていない。

 「弊社は、システムの提案・設計に始まり、機器の導入からコンテンツの作成・運用まで一貫したサポートが可能です。デジタルサイネージを導入しても、『入れたけどよくわからない』というお客さまは多い。そこで、どんなコンテンツをつくり、どんなことができるかを提案させていただいています」(柴田社長)。

 ノウハウをもつ同社が、コンテンツ制作から運用までを手がけることで最適なかたちでの情報発信を行う。せっかくのデジタルサイネージを「宝の持ち腐れ」にしないために、プロの手に運用を委ねるのも1つのソリューションだ。

 デジタルサイネージと従来の動画を使った宣伝・広告が決定的に異なるところは、ネットワークを経由して状況に合った動画をリアルタイムで流せることだ。

 「時間帯や集客状況に応じて、適切な映像を流すことができます。ビジネスショーなら、セミナーの開催時間や場所、混雑具合をスケジュールに合わせて流すことで、効率の良い集客を実現することができます」(柴田社長)。

映像とネットワーク、可能性はさらに広がる

 今後どのような事業展開を構想しているのか。
 「弊社は商業施設や公営競技場のデジタルサイネージだけでなく、映像と名のつくものなら何でも扱います。デジタルサイネージの可能性を体感していただくための機器レンタルも積極的に行っています。今後は、レストランなど施設内の利用状況を自動でカウントしてリアルタイムの混雑状況をお知らせするサービスを考えています。それに詳細はお話できませんが、海上保安庁の巡視船や深海探査船にも協力しています」と笑顔を見せる柴田社長。進化した映像技術を効果的に活用し、消費者へのメッセージを的確に伝える。新時代の宣伝広告手法であるデジタルサイネージの可能性は無限大だ。

(了)
【深水 央】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:柴田 尊明
所在地:山口市小郡花園町4-2
登記上:山口市嘉川5090-16
設 立:2006年9月
資本金:500万円
売上高:(17/5)5億2,800万円

(前)

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