2024年11月16日( 土 )

企業のクラウド戦略を支援する アプリケーションレイヤーでシェア拡大(後)

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クラウドエース(株) 代表取締役CEO 吉積  礼敏  氏

福岡支社を開設

 ――5月1日に福岡支社を開設されましたが、その経緯について聞かせてください。

▲クラウドエース(株)
  吉積 礼敏 代表取締役CEO

 吉積 当社が手がけるプラットフォームのレイヤーは、国や地域は関係ありませんし、業種業態にもよらないと思っています。日本全体でシェアを広げていこうと判断し、2016年末にクラウドエースを分社化しました。東京に加えて、大阪、名古屋に拡大し、その後の拠点として、仙台、札幌、広島、福岡などを候補に上げていました。

 エンジニアの調達という観点やスタートアップの雰囲気、グルーヴノーツさんを含めてGCP(Google・クラウド・プラットホーム)のユーザー会の盛り上がりなどを考え、このほど、福岡に支社を開設しました。

 ――グルーヴノーツのマゼランブロックスはGCPを使っていますが、バッティングする部分はありませんか。

 吉積 多少バッティングする可能性はあるかもしれませんが、協業できる範囲のほうが大きいと思います。マゼランブロックスは、AIを比較的簡易にエンドユーザーが触れるところに重きを置いているので、裾野がすごく広いと思います。

 それをSIの受注生産のようにカスタマイズするところに、当社の立ち位置があります。たとえば、マゼランブロックスを導入して良かったので、これを業務システムとして中身に組み込みたいという段階になると、当社で引き継ぐこともできます。マゼランブロックスがメインに機械学習などのベースとしてあったとしても、いろいろなものを組み合わせて使いたいといった時に、マゼランブロックスがあれば全部できるかというとそうではない。その周辺のSIが必要になります。そういった時に、マゼランブロックスとクラウドエースのSIで使えるようにしましょう、というような話は多いですし、そこのシナジーがすごく大きいと思います。

学生の技術支援も視野に

 ――営業の展開についてはどう考えているのですか。

 吉積 Googleクラウドの範囲においてできることは何でもやりますが、規模が大きい場合は、コンサルテーションから入るパートナーさんと組みますし、業種業態に特定のノウハウが必要な場合は、そういったところと組んで、私たちは自社の強みにある程度特化しながら柔軟に対応してきたいと思っています。

 また、Googleだけでも物凄い領域になっているので、すべての領域に対応するのは不可能です。GCPというベースのプラットフォームの部分を当社が面倒を見て、上の味付けの部分については、得意とする会社さんにやってもらわないと無理だと思っています。そのため、パートナー制を採用しています。グルーヴノーツさんのような方々と共有し進めていきます。

 また、福岡市がスタートアップ支援を強化していますので、そこも一緒にやっていきます。当社にはGoogle認定のトレーナーがいますので、技術者支援のスクールをやっていくことも予定しています。企業で働いているエンジニアをトレーニングするケースが多いのですが、学生さんにもGCPを身に着けてもらいたいと考えています。今後、GCPを利用する機会は、企業のなかで増えてくるでしょう。人材としてGCPの資格やノウハウをもっているというのは、就職にも有利になるはずですから、そこからのアプローチで学生の支援もやっていきたいと考えています。

 福岡市は、エンジニアの育成に力を入れていますので、福岡市との連携も図っていきます。それから、地場企業のIT化が進んでいませんから、そこを強力にサポートしてきたいですね。

(了)
【文・構成:宇野 秀史】

<COMPANY INFORMATION>
代 表 : 吉積 礼敏
所在地 : 東京都千代田区大手町2-6-2 日本ビルヂング12F 1239
設 立 : 2016年11月
資本金 : 3億150万円
売上高 : (17/11)3億円

<プロフィール>
吉積 礼敏 (よしづみ・あやとし)

徳島市出身。愛光学園高校を経て1999年、東京大学工学部精密機械工学科卒業。アクセンチュアに新卒で入社し、主にインフラ領域を担当。大規模システム構築プロジェクトを歴任後、退職して吉積情報を創業。Googleのクラウド・エンタープライズ領域のコンサルタント。GoogleAppsのCertified Deployment Specialistの資格を日本人として初めて取得。2016年、クラウドエース(株)を設立。

(中)

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