一丸となって地場経済のさらなる浮揚へ(3)
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福岡商工会議所 会頭 藤永 憲一 氏
大規模イベントを契機に福岡の魅力をPR
――先ほど、「福商・経済訪問団」としてフランスなどを視察されたお話が出ましたが、その際にパリで、来年のラグビーワールドカップについてのPRを行われたそうですね。
藤永会頭 来年のラグビーワールドカップでは、フランスチームの試合が福岡や熊本などの九州で開催決定していることもあり、九州各県および経済界の代表で、仏政府関係者や仏ラグビー連盟関係者、フランスの現地旅行会社の方々に対して、ラグビーだけでなく、九州の食や文化・観光資源などの魅力についてのPRを行ってきました。
フランスだけでなく、ヨーロッパの人からすると、日本で知名度の高い都市といえば東京や大阪、そして広島や長崎などで、残念ながら福岡の知名度はそれほど高くありません。そのため、フランスから観光客が大挙して福岡に押し寄せる―ということは、それほど期待できないかもしれません。
それでも、これまでに九州・福岡に来られたことのない方が訪れ、少しでも福岡の良い印象が広がり、「福岡を訪れてみよう」という人が増えるきっかけになれば。そうした福岡の知名度が広がるチャンスととらえ、いろいろな取り組みを行っていこうと考えています。
――来年のラグビーワールドカップを始め、これから福岡では立て続けに大規模イベントが開催され、まちの活性化につながることが期待されています。
藤永会頭 大きなイベントが目白押しですね。来年6月8日には「G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議」が福岡市で開催されますし、9月から11月にかけては「ラグビーワールドカップ2019」が開催され、福岡でも3試合が予定されています。
20年には「東京オリンピック・パラリンピック」があるほか、21年には「FINA世界水泳選手権」が20年ぶりに福岡市で開催されるなど、本当に国際的な大規模イベントが続きます。それに加えて、博多どんたく港まつりやファッションウィーク福岡、Food EXPO Kyushu、各種のMICE(会議・研修、招待旅行、国際会議、展示会など)といった、通常の祭りやイベントなどもあります。こう重なると、事務局側としては非常に大変な時期にもなりますが、ある意味で嬉しい悲鳴ですね(笑)。
――福岡市の都市全体で、そうした大規模イベントなどに対しての受け皿が充実してきていることは間違いありません。以前は、イベントが重なるとホテルの客室数が足りなくなるということもありましたが、新規にホテルが開業していることもあり、その問題も解消されつつあるようです。
藤永会頭 都市としての受け皿の拡大はもちろんのこと、大規模イベントの開催を重ねることで、その経験やノウハウも蓄積されていきます。福岡市ともいろいろと連携してやっていきますので、官民の協力体制も含め、こうした積み重ねが福岡にとっての貴重な財産になっていっているのではないでしょうか。
(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】<プロフィール>
藤永 憲一(ふじなが・けんいち)
1950年8月生まれ。福岡県出身。73年に京都大学経済学部卒業後、九州電力(株)に入社。経営企画室長、上席執行役員を経て、2009年6月に取締役常務執行役員に就任。12年6月に(株)九電工の取締役専務執行役員に就任し、13年6月代表取締役副社長執行役員、14年6月代表取締役会長を経て、18年6月相談役(現職)。18年6月、礒山誠二前会頭の辞任にともない、福岡商工会議所 第30代会頭に就任した。関連記事
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