中国経済新聞に学ぶ~日本3大車メーカー 中国で生産力拡大
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トヨタ、ホンダ、日産の日本3大自動車メーカーがこのごろ、中国での増産投資計画のスタートを相次いで決定し、生産能力を拡大させ、中国市場でより多くのシェア獲得をねらっているという。メディアの予想では、2018年に日系車の中国販売台数が初めて日本国内の販売台数を抜くという。
日本の大手自動車メーカーにとって、これまで最重要市場だった米国市場の不確定性が高まっている。一方で、リーマン・ショック後の回復傾向にあった新車ニーズがすでにピークを迎えている。17年の新車ニーズは前年を下回り、今後は大幅な成長は見込めない。また一方で、米政府が輸入自動車の関税引き上げを検討していることも見通しを不明瞭にしている。その他の市場の状況も理想的とはいえない。ますます成熟する欧州市場には、英国のEU(欧州連合)離脱という不安定要因がある。売上が増加を続けるインド市場では、スズキ以外の日系メーカーは大いに出遅れている。東南アジア諸国には市場の成長への期待はあるものの、すでに高いシェアを得た日系メーカーの成長の可能性は限定的だ。日系メーカーは中国市場について、「中国での業績がその企業の世界市場での今後に直接関係している」との考えをもつため、相次いで重心を中国に移すことを選択するようになった。
トヨタ自動車は18年の中国での自動車販売量は前年比9%増加して、過去最高の140万台に達すると見込む。現在の中国での生産能力は116万台で、今後は天津と広州の合弁工場に約1千億円を投入し、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)などの生産能力を各工場で約12万台ずつ引き上げるという。
トヨタの中国進出に際しての武器は新しい生産・設計システム「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチヤー」(TNGA)だ。トヨタの計画では、20年には製品の70%でTNGAを採用して、生産・設計スタイルを根本的に変革する。19年に発売予定のプラグインハイブリッド(PHV)版の力ローラとレビンは、トヨタが中国の新エネルギー車ポイント政策に対応するための新製品になる。トヨタは今年6月、これまでお互いに独立していた中国本社とアジア本社を統合して中国アジア本社とし、連動効果を目指している。
また日本のほかの大手自動車メーカーは、合弁先との提携などを通じて中国にEVを投入し、これを足がかりにして世界最大のEV市場である中国市場の開拓を進めようとしている。
トヨタの中国事業責任者を務める小林一弘・専務役員は、「トヨタの中国でのEV事業展開は他の地域よりも早くなる」との見方を示す。トヨタは20年に初めて中国でEVの生産・販売を行うと予測される。ホンダは18年に中国向けEVの販売を開始し、25年までにEV20車種以上を中国に投入する計画だ。マツダは19年に中国の大手自動車メーカーと共同開発したEVを発売するという。ホンダ、トヨタ、日産自動車はスポーツ用多目的車(SUV)のEVも打ち出すとしている。
日産は中国に新工場を建設すると同時に、既存の拠点2ヶ所の生産能力拡充をはかり、20年までに乗用車の年間生産能力を30%引き上げるとしており、総投資額は約1千億円に達する見込みだ。日産は中国では東風汽車集団と合弁会社を設立して事業を展開しており、湖北省武漢市に完成車組み立て工場を新たに建設する計画で、現在は最終調整段階にある。日産の商用車などを生産する既存の2工場も全面的改修の後、乗用車工場に面目を一新する予定だ。
日産の現在の中国生産能力は年間160万台前後で、計画では生産設備を増強して50万台前後拡大し、中国年間生産能力が200万台を超える初の日本自動車メーカーになることを目指すという。ホンダは他社に先駆けて生産能力の増強を進めている。これまで生産能力に困っていた東風ホンダは、昨年末に神竜汽車の第2工場を「接収」した。広汽ホンダもホンダの中国での株式を買収して、年産6万台の工場1ヶ所を増やした。このほか広州市増城区の工場に先行的に新生産ラインを建設する計画もあり、実現すれば年間生産能力が60万台から72万台に増加する。
ホンダの八郷隆弘社長はこのほど、「中国には新技術を生み出す革新 (イノベーション)パワーが満ちあふれており、ホンダにとって最も重要な市場だ」と述べた。ホシダは19年に中国での自動車生産能力を約20%増強し、現在の108万台から132万台に引き上げる計画だ。コネクテッドカー分野では、阿里巴巴(アリババ)集団傘下の地図情報を提供する企業・高徳軟件有限公司と提携して多機能車載グローバル・ポジショニング・システム(GPS)の業務を展開。自動運転分野では、画像認識システムを備えるニューベンチャー企業・商湯科技との共同研究を決定した。自動車の販売、生産、研究開発の各方面で、中国の重要性が増している。
だが中国自動車市場は競争に満ちあふれ、日系メーカーだけでなく、他国のメーカーもこの市場を狙っている。17年にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)の販売台数が418万台で首位に立った。一方、日産は152万台で3位、トヨタは129万台で6位にとどまった。
2018年に日系車の中国での販売量は500万台を超え、初めて日本国内市場を抜いた。日系車メーカーにとって、中国市場の重要性がさらに高まったといえる。18年には中国自動車市場の規模が3千万台に達し、米国市場は約1,750万台と見込まれることから、中国がすでに米国を抜いて世界最大の自動車市場になったことがわかる。日系車ブランドの世界販売量のうち約3割が中国市場によるものだ。米国の保護政策で米市場の先行きに不透明感が広がるなか、北米を収益の柱としてきた日本勢はより中国に注目するようになった。
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