東洋新薬、松樹皮素材による育毛作用を確認
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(株)東洋新薬(本社:福岡市博多区、服部利光社長)は10日、松樹皮由来の機能性素材「フラバンジェノール」による試験で、育毛作用の可能性を確認したと発表した。
フラバンジェノールはフランス南西部にある、ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出した同社の独自素材。これまで抗酸化、美白、抗シワに関する研究成果を発表している。試験は九州大学大学院農学研究院の片倉喜範准教授と共同で、ヒト表皮角化細胞(ヒトの皮膚から単離された細胞)にフラバンジェノールを添加し、細胞寿命を延長するテロメラーゼ(TERT:真核生物のテロメア(染色体末端)の特異的反復配列を伸長させる酵素)の遺伝子発現量と、毛髪の成長期から退行期への移行を促進する「TGFβ1」(形質転換増殖因子。TGFβ1の分泌は、男性型脱毛症(AGA)の発症機序の1つとされている)の遺伝子発現量を、定量的RT-PCR法(遺伝子を増幅させることで発現量を定量的に測定する方法)により解析した。
結果、フラバンジェノールの添加で、TERT遺伝子の発現量が増加し、さらにTGFβ1遺伝子の発現量が減少することを確認。「これまでフラバンジェノールの育毛作用のメカニズムとして、血流改善や抗酸化による作用が考えられていたが、今回の共同研究で、フラバンジェノールはヒト表皮細胞において、毛髪の細胞を増加させることで成長を促進し、成長期から退行期への移行を抑制する新たな育毛作用メカニズムを有することが示唆された」としている。
同研究成果は、8月22日~24日に宮城県仙台市で開催された「日本食品科学工学会第65回大会」で発表されている。
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