中国経済新聞に学ぶ~北京セブンイレブンが配送革命
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小売の実店舗がリアルタイム配送に続々参入した後、コンビニ大手の北京セブンイレブン(7‐Eleven)はこのほどついにデリバリーサービスとの提携に踏み出し、最初の提携プラットフォームとして「美団外売」を選んだ。他のプラットフォームとも協議を続けるという。北京7-11はこれまでECに対し冷静な態度を取ってきたが、オ厶ニチャネル小売が大きな流れとなる中、多くの昔からあるコンビニ企業が積極的に、さまざまなスタイルでEC業務を模索している。コンビニ業界関係者からみると、「スキップ・キーピング・ユニット(SKU、在庫管理の単位、商品数)に限りがある実店舗ではより多様なシーンにおける消費ニーズに対応することが難しくなってきた。十分な成功事例はまだないが、EC業務の発展には一定の価値があり、さらに掘り起こせる潜在力が備わっている」という。
全店舗でオンラインデリバリーと提携
商品を届けるサービスが小売実店舗の標準装備になりつつある。北京7-11が8月20日に明らかにしたところによると、北京市にある251店舗のすべてで美団プラットフォームとの全面的提携が実現したという。実際、すでに多くのコンビニブランドがデリバリープラットフォームとの提携に次々乗り出し、特に無人店舗やスマート商品補充などで作業が減り、コミュニティ業務などの革新的モデルが続々登場すると、スーパーやコンビニもリアルタイム配送サービスを利用して店舗と消費者との物理的な距離をざらに縮めることを考えるようになった。
北京7‐11の店舗のほとんどの商品が美団デリバリープラットフォームで買えるようになる。コンビニでよく売れるホットスナックやおでんなどの商品は、注文時に温めるよう指定することもでき、その場合は熱々の商品が届くことになる。冷蔵・冷凍食品は保冷剤と一緒に届けられ、配送中も温度は一定に保たれる。
北京7-11は、「他のブランドのコンビニの運営状況やテストを実施したうちの数店舗の様子をみると、デリバリーの売上データは店舗の売り上げ全体でそれほど大きな割合を占めることはなさそうだ。売上高を補完するものとして、今後も他のデリバリープラットフォームとの提携について話し合いを進める」としている。
慎重にチャネル(販路)開拓
注目されるのは、ファミリーマートや現地ブランド・全家、全時などのコンビニの多くの店舗、および7‐11の成都市と重慶市の店舗では、早くからデリバリープラットフォームとの提携が行われており、北京7‐11は相対的に出遅れた感があるということだ。北京7-11は、「今になってデリバリープラットフォームと提携したのは、提携に先立つ市場調査に時間がかかったからだ。オンラインデリバリープラットフォー厶は食品の安全性、商品の粗利益、店舗での実際の作業など各方面の問題を詳細に検討する必要があり、このため十分な市場調査と検討とテストを重ねた結果、このほどついに全店舗での提携が決定した」と説明する。
北京7‐11はこれまでオンラインチャネルに対し慎重な態度を取っており、今後さらにEC市場での配置を進めるかとの質問に対しては、「自前のECなどを開発する予定はない」と明言した。一方、ファミリーマートは2014年にデリバリー大手Elemaと提携を開始し、今年2月にはサービスプラットフォームの「京東到家」と提携する店舗が年内に500店舗に拡大すると宣言した。 「京東到家」に早くから出店している一部都市の7‐11店舗は、今年1月の同プラットフォームでの売上高が前年同期比400%も増加した。
新小売アナリストの雲陽子さんは、「目下のオンラインとオフラインの融合という大きな流れの中、020(オンラインツーオフライン)もコンビニのサービスの一環になる。従来型コンビニにもECは展開する価値があり、オンラインルートでフローとより全面的なサービスモデルを増やせば、売上の伸びをもたらすだけでなく、コミュニティを発展させ、消費者との連動の機会を増やすこともできる。小規模業態にとっては、店舗の周辺の範囲で顧客を維持することが非常に重要になる」と述べる。
開拓を待つECの潜在力
小売の実店舗がECの一撃を食らうなどとかまびすしく言われる中、消費ニーズをすぐに満たしたい消費者の欲求を満足させるコンビニは、これまではECの影響を最も受けにくい業態とされてきた。中国チェーン経営協会が発表した「2017年中国チェーン企業ベスト100」によると、コンビニは小売の実店舗を手がける企業の中で最も成長ペースが速い業態で、コンビニベスト100の17年の売上高増加率は16.9%、店舗の増加率は18.1%あった。
だが多くのコンビニ企業はオンラインの020業務のほかにも、さまざまなやり方でオンラインチャネルを探っている。たとえばファミリーマートが消費者に提供するECサービスには、貯めたポイントを商品に交換できる集享商城もあれば、有料会員向けに選りすぐりの商品を集めたオンラインスーパーもある。全時は自前のオンライン店舗で生鮮農産品などの販売を試行し、SKUに限界がある実店舗を超えてさまざまなシーンの消費ニーズに応えようとしている。
「快客」の前社長で朗然資本の共同創始者の潘育新さんは、「従来のコンビニ店舗の一部はオンラインチャネルのもつ成長の可能性を回避してはいないが、これまでに行われた事例をみると、まだ成功例はなく、オンライン売上高がもたらした成長はまだそれほど大きなものではなく、全体に占める割合も限定的だ。020以外の総合的ECサービスを進めるにはクループ全体の調達力をよりよく検討する必要があり、店舗の倉庫だけで消費者のロングテールのニーズを満たすことはできない」との見方を示す。前出の雲さんは、「従来型コンビニ店舗は主にリアルタイム消費の流動的顧客が中心で、ECは固定客が中心だ。両者の経営思考は異なり、流動的顧客と固定客を深く融合させようと思えば、従来型コンビニ店舗で店舗や商品など各方面の系統的な再構成を行う必要がある。そうしなければECチャネルに力を入れても単なる補助にしかならず、大きな価値を生み出すことはできない」と話す。(文・本紙編集部 李佳)
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