2024年11月09日( 土 )

街の変化、市場の変化に適応して発展を

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(株)ラック

適応力がない企業は淘汰される

▲(株)ラック 柴山 文夫 社長

 同社の柴山文夫社長はこう力説する。「マーケティングをしっかりして適応力を磨かないと企業は淘汰される」同社は福岡における冠婚葬祭の互助会で最右翼を担う会社である。2018年3月期は売上高52億円、経常利益5億円を計上している。そのうち葬儀ビジネスの売上は33億円になる。

 同社が運営する葬儀場名は西日本典礼。現在、姪浜に新斎場オープンの準備をしている。姪浜斎場がオープンすると同社は計28の斎場を運営することになる。

 近年「本葬の規模が非常に小さくなってきており、30人以下の規模になってしまった」という。家族葬・直葬の小規模化に対応するには葬儀場の小型化が必要となる。従来の葬儀場は中型規模の葬儀対応に終始してきた。否応なくスクラップアンドビルドが求められる。またオープンから15年をこえる斎場はリニューアルの必要がある。今後、諸岡、香椎を筆頭に次々に斎場の建替え・移転を進める予定だ。

 柴山社長は「迅速なてこ入れが勝負の決め手となる」と強調する。

地域に愛される葬儀場

 時代の大きな変化は、他の分野にも波及している。結婚式も小規模になってきた。結婚式場の基幹施設「リッツ5」に隣接した場所には小規模結婚式に対応する式場を構えた。

 お寺さんも激変への対応に苦戦している。檀家の維持が困難になったことが最大の要因である。また葬儀場を取り巻く環境も様変わりしている。15年も経過すれば街が様変わりして住民が密集する地域になってしまう。ただ漫然と「葬儀場でござい」と居座っているといつ「目障りな葬儀場」という批判の対象になりかねない。

 同社は先手を打って葬儀場敷地を地元に愛されるゾーンに転換する戦略を展開することにした。まずは諸岡斎場の近くに高齢者向けの飲食店『ハイ元気食堂』をオープンさせた。すると多くの高齢者が同店に食事に来るようになった。また葬儀場から半径1kmを商圏とした青空市場の運営を実施することにした。

 葬儀場は開店休業状態が長い。この時間・空間をフル活動し、地域に愛されるゾーンへと転換するための布石を打つ同社。その甲斐あって、この1年間で葬儀件数は約500件増えたという。

<COMPANY INFORMATION>
(株)ラック

代 表:柴山 文夫
所在地:福岡市博多区東比恵3-14-25
資本金:6,500万円
TEL:092-473-0101
 

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