減り続けているパチンコ屋 ホールにとっての真の脅威とは?(後)
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地域密着に根強い支持も
焦点を地方のホールに充てる。九州で最も人口の多い福岡県のホールといえば、「玉屋」「ゾーン」「ワンダーランド」など、有名店が複数あるが、なかでも屈指の知名度を誇るのは「プラザ」と「フェイス」だ。
「プラザ」の経営を手がけるのは(株)宣翔物産。1972年9月、北九州市のJR戸畑駅前で創業して以降、福岡県下で9店舗展開。2017年7月期で808億円の売上高を計上している。同社の知名度向上に貢献しているのは、広告塔でもある人気お笑い芸人「博多華丸・大吉」、そして博多店を筆頭に福岡市内の店舗で“期待感をもてる”店舗運営を手がけていることが挙げられる。
一方、ホール「フェイス」の経営を手がける(株)フェイスグループは、テレビCMで大物有名タレントのコロッケを起用するなど、プラザに負けず劣らずの広報戦略をとる。17年5月期で1,135億円の売上高を計上。17店舗でこの売上規模は、ホールを全国で400店舗以上展開しているダイナムと比較すると、その凄味が伝わるはずだ。直近5期の売上高の平均金額は1,221億円で堅調に推移している。とくに集客面で貢献しているホールは「MEGAFACE 1500宗像」「MEGAFACE1030 伊都」。宗像、伊都ともに平日でも稼働率が50%をゆうに超える日はザラだ。某ホール経営者Bは自身の経験から、「稼働率が20%でトントン、50%超えればウハウハですよ」と分析。「MEGAFACE宗像・伊都は、いま、福岡で勝ちやすい2大ホールだ」と常連客は語る。
1,000万人を割り込んだとはいえ、いまだ900万人のファンを抱えるパチンコ業界。遊技人口の増減は直接的にホールの業績に影響をおよぼす。ホール間の客取り合戦は激しさを増す一方。力のない中小規模のホールは市場から撤退するか、規模の拡大に取り組む大手ホールに吸収されるかのどちらかになる。結果、ホールの数は減っていく。この負の流れに呼応して「パチンコ業界は終わる」という危機感も強まっていく。
別のホール経営者Cは次のように語る。「ホールの数は今後も間違いなく減っていく。生き残るのは資本力のあるところだけだ。ただし、適正規模に戻っているとも考えられる。これまでが増えすぎていた」。
1時間で10万円分のメダルを獲得することも可能だったスロット「4号機」の時代(1990~95年)、ホールの数は全国で1万5,000店を超えていた。それが2017年で1万店程度にまで“落ち着いた”。これからは分散されていた収益が、生き残ったホールに集約されていくとポジティブに考えることもできるだろう。縮みゆくパイをいかに確保するか、そのためには、地域に根差した営業活動など、ファンサービスの精神も重要となる。
(了)
【代 源太朗】※クリックで拡大
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