入ってはいけない会社(13)~アマゾンに駆逐される会社
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10月15日、米国を代表する小売の名門、シアーズ・ホールディングスが事実上倒産しました。負債総額は1兆3,000億円におよぶ大型倒産です。同社は百貨店「シアーズ」やディスカウントストア「Kマート」を約700店舗運営しています。同じ米国のウォルマートと並ぶ小売業の代表的な存在でしたが、電子商取引(EC)への対応が遅れたと言われており、2017年に倒産した米・トイザらス同様にアマゾンに屈しました。
巨大ECサイトに成長したアマゾンが、世界中の小売業に影響を与える「アマゾン・エフェクト」という言葉が生まれましたが、最近では小売業にとどまらず、ほかの業種(たとえば工事)にも浸食が進んでいます。「アマゾン銀行」の登場が噂されるのも、金融業への進出を簡単には否定できない状況だからです。
日本企業も例外ではなく、アマゾンと戦う道を選ぶのか、アマゾンから仕事をもらう協調の道を選ぶのか、難しい決断を迫られています。正面から戦えば敗北のリスクが大きく、協調はアマゾンに利益を吸い上げられることを意味するからです。ただし、すべての企業が苦境に陥っているわけではありません。自社のサービスや事業領域を変革することで、利益を伸ばす企業も出てきました。
アマゾンに負けず業績を伸ばす会社の多くは、ECサイトでは実現が難しいサービスを付加価値として消費者に提供しています。自社の商品やサービスに、「ノウハウ」や「場所」「体感」などの価値を加えることで活路を見出しています。いわゆる「コト消費」に軸足を置く商業施設が多くなったのも、こうした背景があるためです。会社を選ぶ場合には、その会社がアマゾンを始めとするEC勢力に対して、どのような戦略で立ち向かっているかを知っておく必要があるでしょう。
(つづく)
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