「北九州は修羅の国?」「石を投げたらヤクザに当たる?」北九州市がド直球質問に回答、その狙いは?
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「修羅の国なんですか?」「一家に一台ロケットランチャーがあるって本当ですか?」「石を投げたらヤクザに当たるって本当ですか?」――。これらの質問は、東京で行われた「KitaQフェス in TOKYO 2018」に置かれたパネルに書かれていたものである。あまりにもド直球すぎる質問に真っ向から答えたのは、”修羅の国で最もヤバイ場所”と噂される福岡県北九州市だ。冗談にも取れる質問に回答するこのユニークなパネルが今ネットで話題になっている。
北九州市に問い合わせたところ、「想像以上の反響をいただいています」という喜びの声ともに語られたのは、パネルに込めた「”修羅の国”ではない”今の北九州市”を知ってほしい」という切実な願いだった。北九州市は、九州最北端に位置する福岡県内第二の都市だ。おいしいグルメに工業団地の美しい夜景、最近ではマンガやアニメなどのサブカルチャーにも力を入れる魅力溢れる都市なのだが、ネット上での評判の悪さは全国的に見ても群を抜いている。
そもそも”修羅の国”というのは、福岡県を指す蔑称だ。暴力団抗争、飲酒運転率の高さ、住宅街でのロケットランチャーの発見など、悪い方向での話題に事欠かない福岡県はネット上でもたびたびネタにされている。そのなかでも北九州市は特定危険指定暴力団の工藤會が起こした凶悪事件の印象が根強く残っているため、”修羅の国で最もヤバイ”と評されてしまっている。実際に北九州市で起こった事件・事故だけでなく、事実を歪曲したものが”修羅の国エピソード”として拡散されており、北九州市で起こった事件が全国放送されると、「さすが修羅の国…」と納得するのはもはや”お約束”だ。
当然ながら、北九州市にとって”修羅の国”扱いされることは不名誉なことだ。事実と妄想が入り混じった北九州ではなく、”安心・安全”に取り組む今の北九州市を知ってほしい、そのきっかけになればと生まれたのが「ウワサの真相!!教えて★キタキューのおっちゃん」だったのだ。
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「東京の居酒屋で、東京で生まれ育ったボクが、北九州市出身のおっちゃんに”北九州の色んなウワサの真相”を聞いてみる」、そんな体で始まるQ&Aの一部を紹介しよう。
Q.北九州市って修羅の国なんですか?
A.(略)それはね、映画の見過ぎ。北九州市はフィルムコミッションが頑張っとるけ、街中で「図書館戦争」とか派手なロケいっぱいやっとるけど、いたって平和よ。Q.北九州市では石を投げたらヤクザに当たるって本当ですか?
A.アウトレイジかっちゃ!まぁキタキューのイメージってこんなんやね。でも実際4年前かなぁ。県警が『頂上作戦』で暴力団の幹部みーんな捕まえてから全然おらんくなった。見事なもんやね!
ボクの質問に対して、方言口調で返すおっちゃん。口調はくだけていても、とても真摯に回答している。「一家に一台ロケットランチャー」「北九州市の成人式は大丈夫?」といった”修羅の国”のネタ元とされる話題にも触れている。これらの質問は、実際に聞かれたことのある質問だけでなく、ネットで話題にあがる北九州のイメージを把握したうえでチョイスしたという。
そもそもこのパネルは、市の安全・安心をPRするためのブースに置かれていたものだ。ブースでは、”修羅の国”と称される所以となった暴力団問題や、犯罪件数に対して市がどう取り組んだのか、そしてどう変わっていったのかが紹介されていた。
おっちゃんが話す『頂上作戦』のほかに、市民・企業・行政が一体となって行った暴力団排除活動によって、暴力団(工藤會)の組員数が2007年の770人から17年は360人(半数近くが服役中)へと減少。また、刑法犯認知件数をピーク時の2002年と17年とを比較すると、件数は40,389件からは7,570件と81%減少、政令指定都市14市の件数比較では12位から6位へランクアップしている。夜間パトロールや小学校の登下校の見守りといった防犯活動を行う「生活安全パトロール隊」が結成されるなど、まさに市を挙げて”安心・安全”に取り組んでいるのだ。
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しかし、治安の悪い”修羅の国”のイメージは根強く、実を結んだ治安向上のための努力にさえ目が向けられていない現状がある。”修羅の国”はネタとして面白いものかもしれないが、そこに住む人たちにとって、「治安が悪そう」「怖い」というイメージは、市の発展に必要な観光事業や企業誘致、地方移住へのアピールを行う際の大きな足かせとなる。
最後に、担当者からのコメントを紹介しよう。この機会に、”修羅の国”ではない北九州市に目を向けてみてはいかがだろうか?「怖い」「修羅の国」とウワサされる北九州市ですが、実際は食べ物が美味しく、人情味溢れる大変住みよいまちです。
皆さまに、夜でも安心して楽しくお過ごしいただくため、県警・地域・企業・行政が一体となって、繁華街の「安全・安心」と「にぎわいづくり」に向けて全力で取り組んでいますので、ぜひ一度お越しください。関連記事
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