2024年11月21日( 木 )

行政処分逃れか 営業停止命令受けたリフォーム会社の解散と事業譲渡

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 大分県大分市に本社を構え、住宅の建築工事やリフォームなどを手がけていた(株)野田建工。県内はもちろん、九州を中心に営業所を展開し、近年は増収基調で推移。利益も確保していた同社だが、10月30日に消費者庁から訪問販売時に、同社社員が必要のない修理工事の契約を勧誘していたことが特定商取引法違反に当たるとして、訪問営業について6カ月の業務停止命令を受けた。同社は処分を不服とし、消費者庁に賠償を求めるとしているが、同社はすでに解散し、別会社に事業を引き継いでいる。

 野田建工は10月31日に解散。住宅販売事業を関連会社のノダホーム(株)から商号変更した(株)エヌケージーに引き継ぎ、11月1日から新体制で事業をスタートしている。翌11月2日、同社代表は記者会見を開き、「消費者庁の一方的な調査で業務停止を命じられた」と述べ、近く消費者庁に対し、処分撤回や賠償を求めて訴訟を起こす方向で検討していることを明らかにしている。

 この場合、業務停止命令はどうなるのか。

 九州経済産業局に聞いたところ、「あくまで業務停止命令は野田建工に対して行ったもので、別法人に命令はおよばない。仮に事業譲渡先(エヌケージー)で同様の行為があれば、処分・調査の対象になる」としている。

 つまり、野田建工から事業を引き継いだエヌケージーは処分の対象にならず、仮に従前の訪問販売業務を継続していてもお咎め無しということになり、「処分逃れ」のための事業譲渡ともとれる。

 野田建工は1988年9月に創業し、91年3月に法人化した住宅建築工事会社。屋根葺替・壁塗装工事などのリフォーム工事や自社ブランドでの戸建住宅販売を手がけていた。
 大分県内では、テレビCMの効果もあり、相応の知名度を誇り、県内トップクラスの戸建住宅建築の実績を有していた。関連会社には、工事を手がけるノダホーム(株)や建材販売を手がける(株)マル建があり、3社で野田建工グループを形成していた。

【東城 洋平】

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