冷静・堅実な視点で時代を見極め、建築現場も経営も強固な地盤を敷く(前)
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(株)ワイテック
感謝の気持ちを忘れず、建築現場を全力でサポート
地盤に関する豊富な知識と経験を生かし、各種工事事業から不動産売買まで幅広く手がける(株)ワイテック。福岡の建設業者をあらゆる角度からサポートすることで堅い信頼関係を築き、設立20年余りと業界のなかでは後発ながら、順調に業績を上げてきた。18年1月期の売上高は51億円に達する。
同社は1994年4月、現代表・行武志郎氏の実父が経営する行武通信建設(株)(現・(株)ユクタケ)のグループ会社、(有)ユクタケとして産声をあげた。業種は重仮設工事で、社員は行武社長も含めて2名。行武通信建設(株)で現場経験を積んだ行武社長だったが、顧客開拓からの経験はほぼ0。工事現場に飛び込んでは営業に明け暮れ、実地で交渉術などを磨いた。1件数万円程度の仕事も少なくなかったが、どんな仕事でも社員と喜びを噛みしめ合い、全力で向き合った。
「設立時の苦労があるからこそ、現在も金額の多寡に関わらず、いただいた仕事すべてに感謝の気持ちを忘れずにいられる。社員たちも、この思いを理解してくれ、1人ひとりがお客さまと仕事に全力で向かっている。それがお客さまからの信頼と結びつきを、一層強固にしているのだと思います」(行武社長)。
同社の設立当初から、地場に強く根付いたライバル企業は多かった。同社が数多の先輩同業者に埋もれることなく、ここまでの地位を築くことができたのは、この行武社長の設立当時からのぶれることない姿勢が一因だ。
少しでも広く顧客の要望を応えるために、重仮設以外の事業への参入を進めてきた。現在の主要な事業部は4つ。まず地盤改良などに必要な特殊工法・特殊機械の提供や各種杭工事を担う特建事業部。公共工事から民間工事まで幅広く手がける土木事業部。不動産売買・相続といった資産活用コンサル、サポートを行う不動産事業部。そして、工事現場で重機によるオペレーションや、資材を運搬する重機事業部だ。
事業ごとに日々研鑚を積み、着実に功績を上げる同社。事業別にみると、その実力や規模は現在九州の業界で、それぞれ5番目以内といったところ。行武社長の目標は目下、「それぞれの事業が九州3位になること」だ。1事業で1番にはならずとも、すべての事業が3番手の実力をもてば、どの事業も高い技術を提供する、オンリーワンの企業になることができる。実現可能な目標を掲げ、達成に向かって一歩一歩着実に進んでいく。会社の実態と市場を照合し、自社の持ち味を生かす行武社長の戦略が光る。
近年のインバウンドの増加や福岡への観光客の増加などで、マンスリー・ウィークリーマンション事業も好調だ。通常は一般賃貸住宅である「Blanc・Style博多」「アクタス天神パークシティ」を、入居者がいない期間に家具付き短期賃貸マンションとして貸し出す。効率的に物件を稼働させることができるうえに、ホテル不足で悩む旅行者や就活生、長期出張中のビジネスマンたちのサポートにもなる。福岡の宿泊者が増えるという意味で、地域貢献の役割もはたしているのだ。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:行武 志郎
所在地:福岡市博多区博多駅南2-2-7 Blanc・Style博多2F
設 立:1994年4月
資本金:1,000万円
TEL:092-292-1516
URL:http://www.y-tech.biz<プロフィール>
行武 志郎(ゆくたけ・しろう)
学卒後、父が経営する行武通信建設(株)(現・(株)ユクタケ)に入社。現場経験を積み、1994年にグループ企業である(有)ユクタケ(現・(株)ワイテック)を設立、代表取締役に就任。関連キーワード
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