2024年12月23日( 月 )

福岡都心に誕生「大人の秘密基地」~三菱地所レジデンスが手掛けた「ザ・パークレックス博多」

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三菱地所レジデンス(株)は、30日、中小規模のビルなどを再生して賃貸する「Reビル事業」では地方初リノベーション完了案件となる、「ザ・パークレックス博多(以下、パークレックス博多)」の内覧会を開催した。

 

 ㈱日本経済新聞社・西部支社が入るオフィスビル、パークレックス博多(2,575.69坪)。同社が印刷工場を福岡市東区に移したことで、パークレックス博多地下1階・地上1階の吹き抜けの輪転機室は14年間未使用の状態が続いていた。しかし、今回三菱地所レジデンスによって「個性的なオフィス」へと生まれ変わった。合わせて2階の全フロアと、4階の一部(全538坪)も同様にオフィス空間としてリノベーションされており、西部支社は遊休不動産を解消した格好だ。

ザ・パークレックス博多
エントランス
輪転機室跡に誕生した間
仕切りのないオフィス空間

 

 パークレックス博多はJR「博多駅」から徒歩5分圏内という好立地であり、1階にはテナントとして飲食店の入居が決まっていることから、事務所を求める起業家だけでなく、近隣で働くビジネスマンや観光客の利用も見込んでいる。

 パークレックス博多リノベ事業は、空き区画の活用方法を模索していた(株)日本経済新聞社西部支社と、東京を中心にReビル事業で22物件の実績をもつ三菱地所レジデンス(株)が、2016年11月頃から着手。19年1月31日、すべての工事を完了し、本格的なリーシングを開始する。

 パークレックス博多が提供するオフィス空間を特徴付けているのは、「あえて」残された輪転機室の面影だ。壁面には印刷インクを流していたパイプが縦横に走るほか、床には当時の印刷作業の光景が目に浮かぶような、色合いが残されている。

 三菱地所レジデンスのReビル事業部長、鶴見弘一氏は「建物の持つポテンシャルを活用することで、天井高12.6mというダイナミックな空間の創出に成功したほか、当時の面影を残すことで、まるで大人の『秘密基地』のような世界観を生み出すこともできました」と話し、生まれ変わったパークレックス博多のデザイン面における優位性に自信をのぞかせた。また、日本経済新聞社西部支社次長、篠原勝也氏は「使用しなくなった輪転機室を貸事務所にするか、店舗にするか、社内でもさまざまな意見が出ましたが、解決策が見い出せない状況が続きました。そうしたなかで、三菱地所レジデンスから今回のお話をいただき、オフィス空間として生まれ変わった姿を見て、クリエイティブ・オフィスとしての発展、安定したテナント収入の確保につながればと思います」と述べ、パークレックス博多の新たな可能性に期待を寄せた。

左:日本経済新聞社西部支社、篠原勝也次長
 右:三菱地所レジデンスReビル事業、鶴見弘一部長

 三菱地所レジデンスは、パークレックス博多の賃料について、博多駅東エリアの相場、1万5,000円/坪程度を想定している。
また、同社は今後の地方におけるReビル事業の展開として、札幌、仙台、横浜や、九州においても、福岡で検討段階の案件が1件あるとしている。

 Reビル事業が資産活用の選択肢として、福岡でも存在感を高められるかどうか。パークレックス博多リノベ事業は、その試金石となる。

Reビル事業基本スキーム

【代 源太朗】

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