福岡を活性化させた傑物伝 アパマングループ代表大村浩次氏(5)
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(株) エフ・ジェイ ホテルズ取締役会長 榎本 重孝 氏
常に一歩先を進む
大村さんとの出会いは、私が(株)九州リースサービスの代表取締役社長に就任した、2001年6月に遡ります。私が就任した当時、九州リースサービスの経営は苦戦しており、どのようにして資金を調達しようかと頭を悩ませていました。
そこで、すでに東京に進出し、アパマンを率いて活躍されていた大村さんのところに約6カ月間、当社の社員を金融の勉強のために受け入れていただきました。なぜ、大村さんから学ばせていただいたかというと、大村さんは福岡で圓井研創(株)を設立させ、新たな不動産賃貸業のビジネスモデルを構築し、成果を上げていることを知っていたからです。アパマン設立後の大村さんが、SPC(Special Purpose Company=特別目的会社)を採用した不動産事業に長けていたということも理由の1つです。
私はSPCの手法を活用した資金調達実践のために、大村さんのご協力をいただきながら、一緒にSPCによる事業を展開いたしました。大村さんのご協力をいただいたことで、円滑な資金調達が実現し、九州リースサービスの業績・財務面を改善することができました。大村さんとつくったSPCでの事業は、九州初でありました。
常に一歩先を読んだ、秀逸な経営感覚とノウハウを有しているのが、大村さんです。
必ずやり遂げる
年月が経ち大村さんは、2014年にアビスパ福岡を支援されることを表明されました。そして私の兄(福岡地所(株) 取締役会長 榎本一彦氏)のところに大村さんから「アビスパ支援の仲間になっていただきたい」という旨の打診・交渉がありました。
兄から「大村さんは、どのような方か」と聞かれたので、私は「とても優秀な経営者であり、気品高く人間力豊かなお人柄だ」と答えました。すると兄は、「お前がそういうなら、大村さんと一緒にやろう」とアビスパのスポンサードを決めたのです。
大村さんは、ご自身が表明したことは必ずやり遂げます。アビスパの支援、そしてFCバルセロナとのパートナーシップ契約を結ぶなど、かなり難易度の高い案件においても、見事に成果を出します。
ある日、大村さんから「一緒に食事をしませんか」というお誘いを受けたので、待ち合わせ場所に行くと、何とFCバルセロナのオーナーがいらっしゃって、とても驚いたことがあります。大村さんはスケールの大きいことでも、必ずやり遂げるのです。それも、淡々と成し遂げます。
大村さんの誰よりも勤勉で、情熱をもった日々の仕事への取り組みには、本当に頭が下がります。あれだけ熱心に仕事に取り組む方は、そうそう現れません。
アビスパの試合には、どれだけスケジュールが過密でも必ず観戦に来ます。それはアウェーでも同様です。東京と福岡を2往復するなどは当たり前で、国内外を往来し続けております。タフを超えております。ずば抜けたスピードと正確な仕事ぶりは、経営者の手本ですね。
アパマン設立後、紆余曲折があり、苦しい時期もあったことでしょう。小倉興産を買収した時期は、かなり厳しい状況であったと聞いております。また、一時借入金が約1,500億円あったとも…。それでも大村さんは、辛い表情など一切見せることなく、常に笑顔で行動されておりました。それは今でも同じです。以前は、ひたむきに元気にまい進していて、現在では重厚な佇まいを漂わせています。
大村さんは例えるなら“戦車”ですね。そして、大風呂敷を広げることなく、事実と論理に基づいて仕事を成し遂げます。
福岡を変える傑物
現在、東京を拠点に全国、そして海外へ事業を展開する大村さんは、心から福岡を愛しております。即決でアビスパの支援を決めたのも「心から支えたい・貢献したい」とする志があるからです。一切私心がないのです。大村さんの発する言葉すべてから志が感じられます。
賃貸不動産業界の活性化と改革に挑み続ける大村さん。大村さんが、これからの福岡をより進化・発展させられる男であると確信しております。本業とともにスポーツ・文化への貢献は、誰もが認めるところです。大村さんには、より良い福岡への変革に貢献していただくとともに、その懐の深さで、次世代の方々の育成に取り組んでいただきたいですね。
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