注目集めるNY・ブルックリンで日米の文化が融合する新たな活動拠点を(後)
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MIRROR IN THE WOODS
多様性が集う“森のなかの鏡”
有馬氏自身も現在、ブルックリンで自らのチームを率いて新たなプロジェクトに挑戦している。同氏は「日本とアメリカの文化が融合する新しい活動拠点を」との思いから、2016年7月に法人組織「MIRROR IN THE WOODS.LLC」を設立。以来、ブルックリン・ゴワナスに構えた「MIRROR tea house」で、コミュニティカフェ&ギャラリーを主体に、クラシックやジャズ、ブルーグラスのライブ演奏などを始め、さまざまなプログラムが複合的・有機的に組み合わさるような新たな試みを行っている。
「ブルックリンではアートやギャラリー、ミュージックなどの文化的なものは、これから地域を面白くしていくうえで欠かせません。ですが、アメリカでも日常的に文化的な活動を行うのは、なかなか難しいもの。そこでこの場所で、地域の人々とのリレーションを結んで相互理解を深めることを目的に、飲食ができたり音楽が聞けたりといった、地域の人が集まりやすくなるプログラムを行い、ここを中心としてネットワークをもっともっと面白くできないか、そしてそれがまちづくりにつながるという取り組みを行っています」(有馬氏)。
そんな「MIRROR IN THE WOODS」も、これまでの2年以上にわたる活動の成果として、今では地域に定着しつつある。認知度の高まりとともに地元ブルックリン以外から訪れる人々も増えてきており、有馬氏は次なる段階―「日本の個性的な活動やアイテムをコレクトし、この場所で紹介してシンクロさせる、日本とニューヨークとの持続的な文化のクリエーションフロント」を目指しているという。
「『MIRROR IN THE WOODS』は直訳すると『森のなかの鏡』ですが、ここでいう“森”とは日本の“鎮守の森”のように、バラバラのものが集まって1つのコミュニティを形成するという多様性の象徴です。そして“鏡”は、そこをのぞき込む人によって映し出すものがそれぞれ違うように、個性の象徴でもあります。さまざまな多様性のある個性をここに集めて、つなげて、新たな価値を生み出し、そしてそれを連続させていく。これは『コミュニケーション』『パラレルリアリティ』『イメージアビリティ』という3つのキーワードをベースに、地域を世界と直接結び、多様な人々とつながりながら、ともに共感し感動する―というプロジェクトであり、1つの“マイルストーン”になるのでは、と思っています」(有馬氏)。
高い感度をもつ新鋭デザイナーやアーティストなど、多くの人々が熱視線を送るブルックリンで、地域に根付きつつある「MIRROR IN THE WOODS」。今後も、地域の人々を始めとする多様な人々との交流のなかで、ますます日米の文化が融合する活動拠点となっていくだろう。
(了)
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