辺野古埋め立て反対が「圧勝」も、結果無視を決め込む官邸~「沖縄に寄り添う」は口ばかりの安倍フェイク政権
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名護市辺野古沖を埋め立てて新基地を建設することへの是非を問う県民投票が24日行われ、「反対」票が全有権者の4分の1を超えて、有効投票の72%に達した。今後、玉城デニー沖縄県知事は条例に基づき、総理大臣と米トランプ大統領に新基地建設を断念することを働きかけていく方針だ。
辺野古埋め立てにNO!の意思表示も、政権は結果無視で工事強行を明言
まさに、圧勝といえるだろう。昨24日に沖縄県で行われた「普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋立て」の是非を問う県民投票は、昨年9月の県知事選と合わせて県民が新基地建設に明確に「NO!」の意思を示していることを物語っている。
〈県民投票の結果〉沖縄県発表
「反対」= 43万4273票
「賛成」= 11万4933票
「どちらでもない」= 5万2682票しかし、2回にわたる沖縄県知事選で示された辺野古新基地反対の民意を受け止めずに工事強行に突き進む安倍政権は、2月24日の県民投票の結果を無視する姿勢を結果が出る前から露にしていた。投開票日を2日後に控えた22日、菅義偉官房長官は東京新聞の質問に対して、次のように答えたのだ。
――(東京新聞記者)24日に投開票を迎える沖縄県の県民投票についてうかがいます。結果が安倍首相に伝達される可能性を踏まえると、どのような結果であっても投票結果は政府に対する沖縄県民の民意を示すものとも考えられますが、政府はそのように認識されているのでしょうか。
菅官房長官 まず県民投票については地方公共団体が条例に基づいて行うものであり、政府としてコメントをすることは差し控えたいと思います。そのうえで申し上げれば、普天間飛行場の辺野古移設をめぐる問題の原点というのは、市街地に位置し住宅や学校に囲まれ、世界で一番危険であると言われている普天間飛行場の危険除去と返還だったのではないでしょうか。そうして政府としては普天間飛行場の危険除去と辺野古移設に関する政府の考え方や沖縄の負担軽減に目に見えるかたちで実現するという政府の取り組みについて、丁寧に説明をして地元の皆さまに理解、協力をいただきながら粘り強く工事を進めていくという考えに変わりはありません。
――(東京新聞)「コメントはしない」ということでしたけれども、「県民は普天間の危険性除去も大切ということを含めて悩みながら投票するものだ」と私は思っているのですが、大変失礼な言い方で恐縮ですが、政府は投票結果を無視することなのでしょうか。
菅官房長官 「無視する」ということではなくて、この辺野古移設について手続きは沖縄県に申請をし、そこから許可をいただいて工事をしております。これからではありません。いま申し上げたように、一番の原点は普天間飛行場の危険除去と固定化を避けることではなかったのでしょうか。残念ながら、このことが何を現知事からどうするのか、今の危険除去を避けるためにどうするのかということが語られていないことについては残念だと思っています。
ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏が地元若者のハンストを応援
県民投票が告示された14日の会見でも菅官房長官は「どういう結果でも移設を進めるか」との質問に対して、「基本的にはそういう考えだ」と回答。ここでも「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」という決まり文句を繰り返していた。
そんな安倍政権の姿勢を浮き彫りにをしているのが、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏。1月17日のInstagramで、沖縄を訪問したことを次のように報告した。
「朝一の飛行機で沖縄にいき、沖縄の基地反対かどうかの県民投票実現させるため、拒否している5市町村を動かすためハンガーストライキ、という水しか飲まずに座り込むデモをたった1人でやってる若者に会いに沖縄へ」
県民投票の5市不参加に抗議して宜野湾市役所前でハンストを開始した「『辺野古』県民投票の会」元山仁士郎代表にインタビュー、その思いをラジオで発信したのだ。すると、その様子を写真付で地元紙の『琉球新報』と『沖縄タイムス』がそろって翌17日に報道し、元山氏のハンストへの注目度は急上昇。これを受けるかたちで翌18日、東京新聞社会部の望月衣塑子記者は菅官房長官にハンストに対する政府の認識を問い質した。しかし菅官房長官は薄笑いを浮かべながら「その方に聞いてください」とはぐらかしたのだ。
――(望月記者)関連で沖縄5市の県民投票拒否についてお聞きします。署名を集めた27歳の元山さんが「署名をした10万人の思いを無にしたくない」と宜野湾市役所前で、抗議のハンストを15日から始めております。5市の投票不参加は法の下の平等に違反しますが、若者がハンストで抗議の意を示さざるを得なくなっている状況について、政府の認識をお聞かせください。
菅官房長官 その方に聞いてください。
納得しない望月記者は同日午後の会見で再質問をした。
――(望月記者)再び沖縄5市の県民投票拒否についてお聞きします。午前、会見で抗議のハンストをする元山さんの質問の際、長官は笑っておられましたが、元山さんは「投票権を奪ったことに体を張り、抗議をする私に聞けとはどういうことですか。政権はどれだけ冷酷なのか。選んだ人はどう思っているのか」と批判されています。「その方」の話を聞いたうえで聞いておりますが、若者が抗議のハンストをしなければ、投票ができなくなっている現状への政府の認識をきちんとお答えください。
菅官房長官 そこは、県民投票は沖縄でやっていますから、そこではないでしょうか。
――(望月記者)関連で自民党の宮崎(政久・衆院)議員が勉強会で県民投票の否決の道のりを指南したことを契機に、一部自民党を含む議員たちが否決に回ったと語っております。宮崎議員のこの行動は、県民の投票の権利を踏みにじる暴挙ですけれども、今回のこの暴挙は民意に反し、辺野古基地建設を強行にいま進めている(菅官房)長官をはじめ政府、官邸の直接的間接的な指示がなかったのか、お答えください。
菅官房長官 それは宮崎さんに聞いてください。何回も記者会見をしていらっしゃるのではないですか。
望月記者がハンストについての質問を重ねても菅官房長官は正面から答えることなく、政府以外の人に“丸投げ”して説明責任を果たそうとしなかった。
沖縄の辺野古埋立土砂投入について安倍首相はNHK日曜討論(1月6日)の「サンゴ移植フェイク発言」で環境保全(負荷抑制)の姿勢をアピール、「沖縄の皆さまの気持ちに寄添っていくことも大切ですし、理解を得るようさらに努力をしていきたい」と強調していた。言っていることとやっていることが正反対なのが安倍政権なのだ。
【横田 一/ジャーナリスト】
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