「職員は恥ずかしくないのか」、東洋大前で反竹中デモ(前)
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立て看事件で頰かむりを続ける東洋大学前で2月22日、未来投資会議民間議員を務める同大の竹中平蔵教授を批判する抗議集会が開かれ、市民100人が集まった。参加者は「職員は恥ずかしくないのか」「早く竹中平蔵を追い出そう」などと訴えた。
集会は「みちばた興業」と『ピープルパワーテレビ』が主催し、午後5時半から2時間開かれた。左右を超えた国民運動を理念に、右翼団体「一水会」の構成員も日章旗をもって駆け付けた。日没とともに人は増え続け、5日の第1回から参加者は1桁増えた。
「みちばた興業」の黒川敦彦代表は、「これが反グローバリズムの民衆運動の契機だと思う。竹中氏はその片棒を担いだ中心人物。学生の立て看事件がその運動のきっかけになっている」と企画した意図を語る。
1月21日に「竹中平蔵による授業反対!」の立て看を掲げた学生を2時間半にわたって恫喝し、「退学」で脅した大学側は、同学生の公開質問状に対し期限が過ぎても無回答なままでいる。黒川さんは「本来なら答えるべき。今回のデモは、竹中氏を雇っている大学への批判も含めている」と当学生、船橋秀人さんを応援する構えだ。
ミュージシャンNao Lionさん作曲『Bye Bye 売国 竹中平蔵』の曲が流れる中、主催者と参加者のなかから希望者が明かりのともる大学に向かってスピーチをした。
保守系言論誌『月刊日本』編集長の坪内隆彦さんは、「我々は小泉政権以来、一貫して竹中氏をたたいている。ようやく東洋大学で動きが出てきた。東洋大の看板を利用して政府の諮問会議に入り、自分のお仲間企業に利益誘導し、それがいまだにまかり通っている。こんな男が大学で教えている。学生の皆さま、恥ずかしくないのか」と挑発。「早く、竹中平蔵を出しましょう」と呼び掛けた。
同誌は同日発売の3月号で「政商竹中平蔵の大罪」と題する特集を組み、船橋さんのインタビューも掲載している。
続いて、静岡市内からきたという74歳の男性が前に出る。用意した原稿を手に、「陰で利権を使ってパソナやオリックスなど、自分の関わる会社にお金が回るようにしている。水道民営化や労働者派遣法改正、加計学園問題など、許せないことばかり。竹中教授は辞めろ」と訴えた。
そのうえで、「このままでは将来が危ない。若い人たちはだまされないで、少し考えてみないか。政治に興味を」と語り、4月の統一地方選、7月の参院選への投票を促した。
参加者に次々とマイクが渡る。「職員は恥ずかしくないのか。あなた方が一番罪深い。死ぬときのことを考えてみろ。人生、お金じゃない」「娘が就職したミサワホームは竹中平蔵の兄に乗っ取られた。経団連の奥田(碩・ひろし元)会長が、産業再生機構入りを手引きした」「竹中氏の授業はほとんど休講だと聞く」などと告発した。
40数分たったころ、パトカーがきた。第1回と同じである。警察官は黒川さんに「うるさいと近所から苦情がきている」と注意した。直後、大学構内から作業服を着た2人の職員が出てきて数秒、警官と立ち話をした。戻り際、筆者が「あなたが警察に通報したんですか」と向けると、「いや、私はしていない」と否定。「どんな話をしたんですか」と詰問すると、「人だかりがあるから、ちょっと歩きづらいですねと話した」と釈明する。
開始直後も、道路のはす向かいに、公安警察官が2人立って監視しているのを目撃している。筆者が遠景を撮影しようと歩いていたら、出くわした。一水会の幹部に顔が似ていたので、不用意に「あれ、一水会の方ですか」と尋ねた。すると「えっ、一水会来るの?」と一瞬慌てるのがわかった。身元を明かしていただすと、「うちは公安です」と明かした。「大学は交通事故とか、いろいろ相談を受けているからね」とお茶を濁した。
(つづく)
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高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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