「ブラックモンブラン」5月で50歳に~竹下製菓の竹下真由社長インタビュー
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佐賀県のみならず、九州のソウルフードの「ブラックモンブラン」が5月に誕生50周年を迎える。「ブラックモンブラン」を製造しているのは、佐賀県小城市に本社および工場がある竹下製菓(株)だ。竹下製菓は冷菓・菓子の製造業として明治27年創業の老舗企業。5代目社長の竹下真由氏に今年で50歳になる「ブラックモンブラン」ついて聞いた。
──「ブラックモンブラン」の誕生について。
竹下真由社長(以下、竹下社長) 「ブラックモンブラン」の産みの親は、祖父である竹下小太郎前会長です。祖父が経済使節団の一員としてヨーロッパを訪れたとき、フランスから眺めたアルプス山脈の最高峰「モンブラン」をみて「この真っ白い山にチョコレートをかけたら、さぞおいしいだろう」と思い、アイスクリームの名称に取り入れたことから誕生しました。竹下製菓の歴史が変わる瞬間だったのではないでしょうか。
祖父は寒い地域でもアイスをおいしく食べてもらうにはどうしたらいいかを考えていたらしいんですね。だからこそ、バニラにより濃厚なチョコレートをつけてとか、クッキークランチをつけてとか、思いついたのではないでしょうか。
また、モンブランはアルプスで最高峰の山です。「ブラックモンブラン」という商品名は、「アイスクリームの最高峰を目指すぞ」という気持ちも込められていると聞いています。
──パッケージは変えられているのでしょうか。
竹下社長 モンブラン山が写っているパッケージは大きくは変えていませんが、毎年キャンペーンの内容が変わるので、そのたびにレイアウトを変えています。
今年は50周年という節目の年ですし、私もモンブラン山を見てみたかったので、昨年8月にはじめて現地を訪れ、撮影に行ってきました。50年前に祖父もこの地にきたのかと思うと、感慨深かったですね。
今年のキャンペーン商品のパッケージは、私が撮影したもので、まだ市場には出ておりません。
──長く愛されている「ブラックモンブラン」の特徴を教えてください。
竹下社長 ブラックモンブランは、バリカタクランチといわれる、他社さんでは類を見ないぐらい硬いクランチ、ちょっぴりビターな特徴のあるチョコレート、さっぱりしたバニラアイス、この三者のハーモニーが絶妙です。それぞれくせがあるが、合わさると不思議に調和する点が魅力であり、特徴だと思います。
皆さまそれぞれ、「食べるとクランチがポロポロ落ちるのが困るけどイイ」、「あの硬さがイイ」などおっしゃってくれます。外側のチョコ部分と中のアイスを別々に食べるなど、人それぞれの食べ方で楽しんでもらっています。
発売当初に比べ、ライバルはけた違いに増えていますので、さらにおいしくなるように、少しずつマイナーチェンジを重ねています。
50年の間に「モンブラン」シリーズも増やしていきました。一昨年から「ブラックモンブランクランチバー」を九州限定のお土産用お菓子として、空港や駅、パーキングでの販売を行っています。また、50周年の節目の年となる今年は、「八女抹茶モンブラン」を発売します。
食べ終わった後、あたりくじがついており、そこにも楽しみを感じてもらえる。おいしいだけでなく、楽しんでもらえることも心がけています。ちなみに当たりの確率は父である会長しか知りません。
食べかたを考えたり、工夫したりして、オリジナル感を出していることも「ブラックモンブラン」が皆さまに愛されている理由ではないかと思います。
──これからの展望、60周年、100周年にむけての抱負を聞かせてください。
竹下社長 「ブラックモンブラン」をもっと多くの人に食べてもらいたいですね。お菓子やアイスクリームには人を笑顔にさせる力があると思っています。当社の商品も、そのパワーがあると思っていますので、いろいろな方に食べてもらいたいですね。
個人的には、祖父がつくったものを超えたい、並び立つものをつくりたいと思います。会社的には、地元を盛り上げ、育ててもらった佐賀、九州に恩返しをしたいと思います。当社とかかわって良かったと思っていただければ幸いです。
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