全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(9)

 これまで当社では、全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が、自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があること、そして、全管協名誉会長として政府与党幹部と面会した際、自身が経営する企業が販売権を有するごみ処理プラントの営業活動を行ったことなどを報じてきた。

 6月15日発売の『週刊ポスト』(小学館)2026年6月26日・7月3日合併号において、「茂木外相が総裁選ですがった『自民党員水増し団体』」とのタイトルで、2024年の自民党総裁選に際して、現在、高市政権の外務大臣を務める茂木敏充氏が、全管協名誉会長でその職域支部である自民党ちんたい支部連合会の会長を務める高橋誠一氏に、東京都内のある高級飲食店で、総裁選で全管協がもつ自民党員票の一部を自身に投票してくれるよう依頼していたことや、当社が報じてきた自民党員の組織的な獲得に関する問題を3ページにわたって報じている。

なぜ賃貸住宅の家賃に消費税がかからないのか?

 高市首相が「飲食料品の消費税率を2年間ゼロ(0%)にする」と公約し、いまだに実現していないことは周知の通りである。ところで、1989年の消費税が導入された時は、居住用家賃も課税(3%)対象であった。しかし、91年10月の法改正により非課税へと変更され、現在も続いている。

 読者にも消費税の是非はさまざまな考えがあることだろう。ここでは税制の是非には踏み込まない。ここで問題としたいのは、賃貸住宅の家賃非課税は、全管協グループと自民党との関係が大きく影響していることである。

 全管協が自民党ちんたい議連会長の石破茂前首相の要請(当時は自民党幹事長)により2014年から47都道府県に自民党ちんたい支部を設立し、自民党を支えてきた。このことが賃貸住宅の家賃の非課税を認めてきた要因だ。全管協名誉会長・高橋誠一氏は、自民党が業界団体の圧力に弱いことを利用して党員獲得と総裁選を含めた選挙での応援をエサにしたといってよい。

 たしかに、一般的に賃貸住宅の居住者は、持ち家の居住者と比べ年収が低い傾向にある。よって賃貸住宅の消費税非課税という政策は、住環境の面から社会の安定にかかわり、低所得者の生活を守るうえでも重要である。

 しかし、これまで一連の連載で取り上げてきたように、全管協という任意団体の名誉会長・高橋誠一氏主導によるノルマと圧力によって活動実態のない「幽霊自民党員」を多く誕生させてきた。多くの事業者が自民党費の立替や、強引な手法で党員名簿獲得を強いられている。その数の力を背景にして賃貸住宅の家賃の非課税堅持を行っていたのであれば由々しき問題である。

全管協内部で消費税の論議がタブーとなっている

 当社が西日本を中心に全国の全管協会員企業の代表者に取材を行った結果、かなりの割合で会員企業による党費の立替など、正常とは言えないかたちでの入党勧誘活動が行われてきたことが判明した。

 ある全管協会員は次のように話した。「低所得者の家賃に対する消費税非課税堅持は賛成だが、家賃が高額な賃貸住宅には消費税を課税すべきではないか」。日本国民が物価高騰に苦しむなか、家賃が高額な賃貸住宅を非課税にする明確な理由がないからである。

 また、別の全管協会員企業の代表者は「賃貸住宅の家賃に対する消費税非課税堅持は賛成だが、この政策がオーナーにどの程度影響を与えるのかも明確にしなくてはならない」と話した。

 さらに、複数の全管協会員は協会のなかで消費税に対して議論すること自体がタブーと感じたと証言した。「ある会合で賃貸住宅の家賃への非課税がオーナーに与える影響を確認すべきという趣旨の意見をした人に対して、高橋誠一氏は烈火のごとく怒り出した」という。また、「高額家賃への課税が必要ではないかと提案した際、提案したこと自体に叱責を受けた」という。こうした経緯があり、全管協内部では高額家賃の非課税が必要なのか議論が深く行われたことはほとんどないという。

 全管協が幽霊党員を含む自民党員の数の力によって、与党自民党に対して消費税非課税堅持を要望していることや、高額家賃への課税の是非などについても、社会公益のために今後全管協内で議論される必要があるのではないだろうか。

【近藤将勝】

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