ミネベアアクセスソリューションズに勧告、金型保管費・荷役作業費を負担せず
10日、公正取引委員会はミネベアアクセスソリューションズ(株)(宮崎市佐土原町、仁井名慶也代表)に対し、改正前の下請法および改正後の取適法に基づく勧告を行った。同社が自動車部品などの製造委託先に対し、金型などの保管費用を負担せずに保管させていたほか、運送を委託した中小受託事業者に荷役作業や附帯業務を無償で行わせていたことが、不当な経済上の利益の提供要請に当たると判断された。
同社はベアリング大手のミネベアミツミ(株)の子会社で、自動車部品や自動二輪車部品などの製造・販売を手がける。
公取委によると、同社は下請事業者36名に対し、自社が製造を請け負う自動車部品などの部品製造を委託していたが、遅くとも2024年1月から26年2月1日までの間、同社が管理していた金型などを用いて製造する自動車部品等の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者36名に生じる計846個の金型などの保管費用を負担せず、下請事業者側に保管させていた。
また、26年1月から同年4月までの間、運送を委託した中小受託事業者1名に対し、計546時間26分におよぶ積込み・取卸しなどの荷役作業や、その他運送に附帯する業務を、費用を負担せずに行わせていた。
同社はすでに、金型などの保管費用として下請事業者に計580万4,471円を支払った。また、荷役作業および附帯業務に係る費用として、中小受託事業者に計129万8,325円を支払っており、公取委はこれらを不利益額に相当する額の支払いと認めている。
特定運送委託についての違反指摘
今回の勧告で注目されるのは、改正後の取適法で追加された「特定運送委託」に関する違反が含まれている点だ。発荷主が元請運送事業者に対し、製造・販売などの目的物の引渡しに必要な運送を委託する取引も規制対象となっており、荷役作業や附帯業務を無償で行わせることが問題視された。
物流分野では、ドライバーや運送事業者が本来の運送以外に、荷物の積込み・取卸し、仕分け、待機、附帯作業などを担うケースがある。こうした作業の対価を明確にしないまま取引先に負担させれば、運送事業者の収益を圧迫する。今回の勧告は、製造業のサプライチェーンにおける金型管理と、物流取引における附帯作業の費用負担の両面で、発注側の責任を改めて示したものといえる。
【寺村朋輝】








