2024年11月27日( 水 )

「爆発的に売れた」節税保険 販売停止とその裏側

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 中小企業向けの節税生命保険の販売が停止される。大手生命保険会社はそれぞれが販売停止のタイミングを発表しているが、本日2月28日をもって、すべての会社が販売を停止すると言っていいだろう。「解約を前提とし、節税目的で保険を販売されては、適正な税金の徴収が行えない」――国税庁の言い分はごもっともである。

 今回販売停止となった保険は、保険料を全額会社の損金に算入できて、途中解約すると保険料の大部分が戻ってくる設計だ。業界では「爆発的に売れた」というこのタイプの生命保険。売れた理由もある。

 ここ数年、プチ不動産バブルと言ってもいいほど、主要都市の不動産・建設業界は潤った。福岡も例外ではない。中小企業でもかなりの利益が出たわけだ。しかし、世間ではオリンピック後の不況を予測する声もあり、先行きは不安。将来、業績悪化した際の備えにもなる。この状況がまさに保険活用に当てはまった。逆をいえば、将来的な不安がなければ、ここまで売れなかったともいえる。

 「提案中のお客さまへの説明で、まさに怒涛の1カ月だった」という、ある保険営業マンは「大手生保会社、代理店などが国税庁に呼び出された。かなり抵抗したようだが、国税OBを最も抱える日本生命も折れたことで、各社あきらめたようだ」とドタバタ劇の裏側を話してくれた。

 また別の業界関係者は「業界が食い下がっても、国税庁には敵わない。販売停止を受け入れる代わりに、過去に遡って課税対象としないでくれという駆け引きもあったはずだ」と業界の動きを分析する。

 人気商品の販売停止で慌てる関係者も多いが、「また新たな設計の保険商品が登場し、国税とのイタチごっこは続く」と語る冷静なベテラン保険営業マンもいる。

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