人を活かして、人を育て「夢をかたちに」するサービスを(前)
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エントリーサービスプロモーション(株)
代表取締役社長 新井 洋子 氏エントリーサービスプロモーション(株)を中心としたエントリーグループではこれまで、ホテル業界やテレビマスコミ業界、アミューズメント業界、イベントキャンペーン業界など、多岐にわたる業界への人材派遣を通して、数々の企業のビジネスをサポートしてきた。その根幹にあるのは、“人”の力を信じる、揺らぐことのない強い思い。同社代表取締役社長・新井洋子氏に、同社の取り組みや今後の事業展開について聞いた。
個別の人材教育に力を入れ多種多様なニーズに対応
――これまで御社では、コンパニオン派遣を始めとした人材派遣を主に手がけてこられていますが、そのなかでの御社の強みとは何でしょうか。
新井洋子社長(以下、新井) 弊社グループは現在、人材派遣やイベント企画運営、レセプタント・MC・レポーター派遣、社員教育などを行うエントリーサービスプロモーション(株)、アミューズメント系の人材派遣を行うエントリースタッフ(株)、配ぜん人有料職業紹介を行う(株)サンエーサービス、そして映像制作プロダクションである(株)ビッグベンの4社で構成されています。これまで、派遣先の企業が求めているニーズにお応えできるプロフェッショナルな技術と知識をもった人材をタイムリーに派遣し、多くの実績と信頼を積み重ねてきました。とくに中核となるエントリーサービスプロモーションでは、SP(セールス・プロモーション)事業部やパーティ事業部、人材派遣部など、事業部ごとに専門性をもたせ、多種多様な人材教育の下、さまざまな分野において即戦力となる人材をそろえています。現在、登録スタッフは約1万8,000人いますが、多岐にわたる業種のお客さまのさまざまな要望に、的確かつ素早くお応えできるだけの人材をそろえていることが、弊社の強みの1つではないでしょうか。――スタッフへの人材教育の面では、とくにどういった部分に力を入れられていますか。
新井 いろいろありますが、派遣のスタッフについていえば、派遣先に合わせた個別の教育に力を入れていますね。というのも、1人ひとりの人間に個性があるように、企業にもそれぞれ個性があります。派遣先によってお客さまが求めているものはもちろん違いますし、企業風土も違ってきますので、それに応じた教育を行っています。――昔のイメージですと、大会議室での集団セミナーみたいなかたちを想像してしまいますが、今は派遣先がどういう人材を求めているかに応じて、教育自体もカスタマイズするようなやり方になっているのですね。
新井 重要なのは、“人材をいかに育てるか”です。もちろん、基本的な大きな研修も行いますが、それにプラスして専門性の高い教育が欠かせません。たとえば放送局でしたらカメラアシスタントの教育や、パーティレセプタントでしたら、パーティの接客や配膳の教育など、それぞれ求められるスキルや素養に合わせた教育を実施しています。やはり弊社が信用をいただいているのは、派遣先のニーズをきちんと把握したうえで、それに応じた人材を派遣する部分にあると思いますので、ここはしっかりと取り組んでいます。
一方で、派遣した人材が、派遣先の企業風土に合わず、すぐに辞めてしまうようなことになれば、双方にとって不幸ですし、弊社にとっても困ったことです。そのため、スタッフ側についても、派遣先の企業の風土を事前にきちんと伝えるなどして、お互いのマッチングの齟齬をなくすための取り組みを行っています。
弊社では、下は高校生のアルバイトから上は40~50代と、幅広い世代のスタッフにお仕事を紹介していますので、派遣スタッフの年齢によっても、抱えている悩みですとか、わからないことが違います。そのため、個々人に合わせることと、派遣先に合わせることの2つを考えると、やはり個別の教育に力を入れていかざるを得ないと思っています。
また、弊社では派遣する前の教育はもちろんですが、派遣した後のフォローにも力を入れています。それぞれが抱えている悩みや困りごとを聞き、それについてのアドバイスや対処を行うほか、たとえばコールセンターのように大勢のスタッフを派遣しているところでは、年に何度か集めてミーティングや慰労会を開催するなど、スタッフの方々にも楽しんでもらって、また頑張っていただけるようなフォローは行っています。
――派遣先のお客さまの信頼だけでなく、スタッフの信頼も大事にされているということですね。
新井 そうですね。そうしてスタッフのことを大事にしているからこそ、派遣期間が終わっても、「またエントリーで仕事をしたい」と継続を希望してくれるスタッフが大勢います。なかには、「昔、自分がエントリーで働いていた時、すごく楽しくて勉強になったから、ウチの娘もぜひ働かせてください」と言ってくる方や、「実は、母から勧められてエントリーに登録したのですが、ここで働いて本当に良かったです」と言ってくれる方など、社歴が長いので、親子2代で働いてくれるような方も結構います。そうした方がいらっしゃると、本当に嬉しく思いますし、この仕事を続けてきて良かったと思いますね。――現在、AI(人工知能)などの技術が進んでいますが、お話をお聞きしていると、御社の強みである“おもてなし”の部分は、人にしかできないものだと感じます。
新井 その点については、ちょうど福岡商工会議所の情報・文化・サービス部会の永江靜加部会長とも、「これからAIのようなさまざまなテクノロジーが出てきても、“おもてなし”の部分は絶対に人にしかできない」という話になり、福商「おもてなし」コンクールを毎年行っています。今のようにすべてがパソコンやスマホでできる時代だからこそ、そういう人の部分を重視して教えていきたいですし、それをずっとつないでいきたいと思います。(つづく)
【坂田 憲治】<COMPANY INFORMATION>
代 表:新井 洋子
所在地:福岡市中央区天神3-6-26
設 立:1975年7月
資本金:1億円(グループ合計)
売上高:(18/3)約23億円(グループ合計)<プロフィール>
新井 洋子(あらい・ひろこ)
1951年、宮崎県延岡市出身。福岡大学人文学部卒。70年6月、夫の新井康夫会長とともに、エントリーサービスプロモーション(株)を設立。90年1月から副社長を務め、営業本部を統括。2003年3月に代表取締役社長に就任した。17年7月から1年間、福岡第一ライオンズクラブの会長を務めたほか、福岡商工会議所で情報・文化・サービス部会副部会長、MICE・観光振興委員会副委員長を務めるなど、社外の活動にも精力的に取り組んでいる。
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