2024年11月23日( 土 )

人を活かして、人を育て「夢をかたちに」するサービスを(後)

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エントリーサービスプロモーション(株)
代表取締役社長 新井 洋子 氏

自分の信念をもってどれだけ社会に貢献するか

 ――現在、政府方針でも「女性が輝く社会」を謳っていますが、新井社長ご自身、女性の社会進出を後押しされてきた先駆者だと思われます。この「女性が輝く社会」についてのお考えをお聞かせください。
 新井 私が若いころは、まだ女性経営者がほとんどいなかった時代でした。当時は、女性たちにとっては就職先もほとんどなく、女性の幸せといえば、「学校を卒業したら、良い人と結婚すること」「家庭に入って、子どもを立派に育てること」などといわれていた時代で、私の周りにも誰も就職する人がいませんでした。ですが私は、仕事をして社会に貢献していきたいという思いが強く、今の仕事を始めたのですが、若かったこともあり、夢に向かって猪突猛進でやってきました。ありがたいことに周りには応援してくださる方もいて、とても可愛がっていただきました。こうして、私の好きな分野での仕事ができたことは、とても幸せだったと思います。弊社では、当初から“女性の力”や“女性の可能性”を信じてきましたし、私と同じように社会のなかでの活躍の場を求める女性のパワーこそが、弊社の基盤をつくってきたといっても過言ではありません。

 今はそれこそ“一億総活躍”しなければならない時代です。やはり大事なのは、男性・女性といった性別関係なく、「自分の信念をもって、どれだけ社会に貢献するか」ではないでしょうか。男性と女性との違いについていえば、女性は自ら出産・子育てを行いますから、子育てのつもりで人を育てていくことができます。また、女性ならではの視点や細やかな気づかいなど、男性にはない部分もあります。それぞれの優劣ではなく、得意な部分を活かして互いに補い合いながら、ともに社会に貢献していく―。そういった意味では、女性経営者が増えてくることは、社会の活性化にもつながってくるのではないでしょうか。

新たに取り組む海外事業人を育てて次世代に―

 ――今年から新事業として、外国人の人材派遣・紹介などにも取り組もうとされているそうですね。
 新井 ご存知のように、日本では今、さまざまな業界で人手不足という課題に直面しています。とくに工場の仕事などは、今は募集をかけても日本人は来ないそうです。一方で、外国人の人材を実際に使っているところからは、とにかく外国人は一所懸命働くと聞いています。これまで弊社には、外国人のスタッフはいませんでしたし、そうした人材派遣・紹介なども行ってはいなかったのですが、ちょうど昨年12月に改正入管法が可決され、今年4月1日から施行される予定ということもあり、今年は外国人の人材派遣や紹介、技能者の紹介などにも力を入れていこうと考えています。すでに海外事業部というセクションをつくり、準備を進めているところで、今年6月くらいからスタートできればと考えています。

 現在、すでに外国人の人材を「ぜひほしい」というようなオファーはたくさん来ていまして、本当に我々の仕事は“人ありき”なんだということを今さらながらに感じています。今回、まずはご縁をいただいたベトナムから始め、その後はニーズや状況などに合わせて、ゆくゆくはさまざまな海外の方の人材の派遣や紹介なども行っていければ、と考えています。

 ――最後に、新井社長ご自身の今後の夢についてお聞かせください。
 新井 私は若いときから、「人を育て、人を活かす」ということと、「夢をかたちに」ということを自分のポリシーとして掲げてやってきました。私は基本的に人が好きですから、いろいろな方と話をさせていただくなかで感じた、「この人が一番喜ぶ笑顔を見たい」「この人のために何かしてあげたい」というような気持ちが、現在の仕事のスタートであり、原動力になっていると思います。

 私は、社員の皆にもいつも「夢をかたちに」といっているのですが、これまでも自分自身の「こうやりたいな」「ああやりたいな」というものをかたちにしてきました。2015年に創業40周年の節目を迎えた際に、社員の皆にもそれぞれの夢を書き出してもらったのですが、そのときに私が書いた夢が、「現在の自社ビルに加え、13階建ての自社ビルを建てたい。そして最上階には社員のためのラウンジを設け、社員たちが終業後にそこでお酒を飲んだりできるような、そんな憩いの空間をつくって、残したい」―というようなものでした。13階という数字は、おそらくこのあたりの高さ制限ギリギリまで建てたら、そのくらいの階数になるのではないかと(笑)。

 もう1つは、「この会社を若い人に託していくために、人を育てていきたい」という夢です。昔と今では、若者の考え方などは変わってきているように思いますし、今の若い方はすごく打たれ弱くなっているようにも思いますが、良いところをどんどん伸ばしてあげて、世界に通用する人を育てたいですね。今の若い方にも日本人としてのプライドをもって、世界と戦っていくために頑張ってほしいな、と思います。

 ほかにも、まだまだ「かたち」になっていない夢がありますので、それを1つずつ叶えていき、ゆくゆくは次の世代にバトンを渡したいですね。

(了)
【坂田 憲治】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:新井 洋子
所在地:福岡市中央区天神3-6-26
設 立:1975年7月
資本金:1億円(グループ合計)
売上高:(18/3)約23億円(グループ合計)

<プロフィール>
新井 洋子(あらい・ひろこ)

1951年、宮崎県延岡市出身。福岡大学人文学部卒。70年6月、夫の新井康夫会長とともに、エントリーサービスプロモーション(株)を設立。90年1月から副社長を務め、営業本部を統括。2003年3月に代表取締役社長に就任した。17年7月から1年間、福岡第一ライオンズクラブの会長を務めたほか、福岡商工会議所で情報・文化・サービス部会副部会長、MICE・観光振興委員会副委員長を務めるなど、社外の活動にも精力的に取り組んでいる。

 

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