「稼げる空港」と「地域の信頼」を両立できるか FIACによる空港運営がスタート
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福岡国際空港(株)(FIAC)は1日、同社による福岡空港の運営開始を記念する式典を国際線ターミナルで開いた。今回の民間運営は、国道交通省からの事業運営権譲渡(コンセッション)により、福岡空港運営を包括的に受託するもので、国管理空港の民間委託は仙台空港、高松空港についで3例目。年間利用者が2,000万人を超える主要空港としては初となる。運営権費用は総額4,260億円。契約期間は30年間。
「公共インフラ」である空港が民間の手に委ねられた。今後、「稼げる空港」への転換が最優先になると見られるが、経営や就航状況、事故対応などに関する適切な情報開示ができるかも注目される。
主催者挨拶に立った永竿哲哉社長は「安全安心、地域から信頼される空港運営が最も重要。東アジアの拠点空港として、地域の活性化に寄与していく」と話した。来賓からは、塚田一郎・国土交通副大臣が「福岡空港にはますます大きな役割を期待する」などと挨拶。小川洋・福岡県知事、高島宗一郎・福岡市長もそれぞれ祝辞を送った。オープニングでは、精華女子高校吹奏楽部が演奏、演技を行い、式典に華を添えた。
式典に出席したチャンギエアポートグループチェアマンのリュウ・マン・リオン氏は「福岡空港には、韓国、香港、中国などのアジアの空港と比べても、就航量のポテンシャルがある。空港から5時間以内の東南アジア便の誘致については、今後我々も協力できるだろう」などと話している。
FIACは同日、国際線ターミナルビル3Fの北南2カ所に新たに免税店をオープンすると発表した。拡張する面積は約200m2(北側約140m2、南側約60m2)。既存面積と合わせると、約1770m2になる。2019年夏以降、順次店舗を開業する。化粧品や香水、電化製品などの商品を展開する。
福岡空港の民間委託をめぐっては、国土交通省が18年5月、福岡エアポートHDを代表企業とするグループ(西日本鉄道、三菱商事、Changi Airports International、九州電力)を優先交渉権者に選定。同年8月に同グループが設立した特別目的会社である福岡国際空港と実施契約を締結した。ビル施設などの事業は同年11月からスタートしている。
福岡国際空港では、「比類なき東南アジアの航空ネットワークを有する東アジアトップクラスの国際空港」を実現するため、利用客数3,500万人、100路線(国際線14カ国51路線含む)を目標に掲げている。100路線達成を期し、100色のレインボーカラーを採用した「FLY 100 DREAMS.」をデザイン製作している。
福岡空港では、「過密空港」の緩和のため、国土交通省により、15年度から福岡空港の第2滑走路の増設工事が進められている。25年度末に供用開始予定だ。事業費は概算で約1,643億円。これにともない、福岡国際空港が15年から国際線ターミナルビルの再整備事業に着手。20年1月末の供用開始を予定している。事業費は約460億円。
【大石 恭正】
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