【政界インサイダー情報】大阪ダブル選勝利で加速する「大阪IR project」
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サラリーマン社長では相手にならぬオリックス・宮内氏
7日に行われた「大阪ダブル選」の結果、大阪維新の会の松井一郎氏(前大阪府知事)、吉村洋文氏(前大阪市長)がそれぞれ大阪市長と府知事の座に就いた。今回の選挙結果により「大阪都構想」がより具体化することになり、大阪・関西万博開催も踏まえて再度、住民投票が行われる可能性が高くなった。
筆者はしかし、このダブル選(クロス選)によって「大阪IR project」実現が加速するであろうことに強く興味を惹かれる。つまり、「安倍・トランプ密約」が確実に実行されるということであり、安倍首相と菅官房長官、ならびに政権下の「忖度政治家」と官僚による、「IRカジノ〝忖度〟実施法案」問題である。松井新市長は当初からこの密約と忖度法案を熟知していたと思われるのだ。
筆者は実は、「IR project」そのものに反対しているわけではなく、こうした巨大案件=日米権力者による搾取構造に異議を唱えたいのだ。近日中に、オリックス・宮内義彦氏と連携済みの「MGM Resort Japan」と大阪IR projectによる「I R Project開発実行宣言」がプレスリリースされる予定だが、とんだ出来レースである。
前回(【政界インサイダー情報】地方都市はカジノ予定地から除外!の真相~裏にトランプ・安倍密約か(続報))説明した通り、イチロー選手による現役引退宣言もあったMLB 公式戦の冠スポンサーは、トランプ大統領に近いMGM Resort Japanだった。また、安倍政権下の忖度政治家たちがMGMにパーティー券を購入してもらっていたことも記憶に新しい。これらすべてがつながっていて、それぞれに関連性があるのだ。
よって、オリックス宮内氏とMGMの「大阪IR開発準備組織」が立ち上がってしまえば、ほかの大阪財界、たとえば関西電力や大阪ガス、または大阪が地元の大林組などのスーパーゼネコンが、それに対抗してほかの米国カジノ投資企業(ラスベガス・サンズ、シーザーズ・エンターテインメント、ウィン・リゾート)と提携した新たな開発準備組織を結成することなどあり得ない話になる。
いかなる大企業であろうとも、サラリーマン社長である限り「赤信号、皆で渡れば怖くない」という日本の風土的呪縛から逃れることはできず、最終的には宮内氏の主導する計画に乗って、事なきを得ようとするのは目に見えている。「オーナーvsサラリーマン社長」では勝負にならない、ということだ。
隠れた主役はラスベガス・サンズのアデルソン氏
従って、公平な競争入札、すなわち「公募」などあり得るはずもなく「これで大阪に決定!」となるに違いない。ご存知ない方も多いと思うが、トランプファミリーのほかのカジノ企業は、後日「サブライセンス」という方法でMGMと提携すれば、看板が複数になっても同様の役得を得られることになる。このように、一見公平を期すかのように見える「カジノ実施法案」の出来栄えは見事なもので、安倍政権下の政治家と官僚が知恵を出し合ってつくりあげた、すばらしい忖度法案なのだ。
大阪IR projectが進めば、そのうちこの問題を各マスコミが嗅ぎつけ、叩かれる事必至であろう。少しでも大型開発案件を齧っているジャーナリストならすぐに気が付くカラクリなのだ。
前回もご報告したように、日本におけるIR projectは、苫小牧、和歌山、長崎などのローカル候補地は切り捨てられたも同然。また、中華系カジノ企業の進出も、トランプ大統領への忖度によって一切チャンスはない。あとは、東京都とセガサミー、本件の隠れた主役であるラスベガス・サンズのアデルソン氏(トランプ大統領への最大の献金者)との連携による「東京IR project」で決まりだろう。
【青木】
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