山本太郎が「れいわ新選組」結党、「衰退国家救いたい」
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山本太郎参院議員(自由)が10日、新党「れいわ新選組」を立ち上げ、参院議員会館内で記者会見を開いた。「衰退国家にある日本を何とか救いたい」と、消費税廃止や最低賃金1,500円の実現など、経済政策に重点を置いた政策を掲げる。夏の衆参同日選挙も視野に、資金と候補者を募る一方、野党共闘も直前まで模索する方針だ。
会見の冒頭、山本氏は事前の報道で「令和新撰組」とされた表記を否定した。「『れいわ』は平仮名。『選』の字にしたのは、新しい時代に新しく選ばれる者たちの意」と説明した。
ネット上では維新に負けた新撰組や元号を採用している点が物議を醸しているが、「アイロニー(皮肉)的意味も含んでいる。解釈はそれぞれの人にお任せする。平成時代の政策が停滞と格差拡大に終始したのはたしか」「幕府側に付いたのはけしからんという意味だと思うが、今、権力を握っているのは国民」と示唆。
山口県に起源をもつ安倍晋三首相に象徴される「長州政治」への反抗との臆測については、「特別公務員を含め、公僕が国家を私物化する政治に対し、新選組が天誅(てんちゅう)を加えたいという思いはある」と告白した。
政治団体としての届出は4月1日に済ませている。今のところ国会議員5人以上カ国政選挙で2%以上の得票がないため、公職選挙法などが規定する政党ではない。
自由党への離党届は統一地方選が終わり、自由・国民民主両党合流の可否が出た後に提出する。ただし、いずれの場合も離党の方針に変わりはなく、4月30日が期限になるとの考えを示した。
小沢一郎共同代表への説明は終えている。その際、小沢氏から「理解はしたが、多くの方々には理解が難しいかもしれない。あなたが政治生命を失う可能性も含めた賭けになるだろう」と警告されたことを明かした。それに対し、「その賭けをやりたい」と答えたという。
主な政策として、消費税廃止や全国一律最低賃金1,500円、奨学金徳政令、辺野古新基地建設中止、原発即時停止など8項目を掲げる。そのなかには、TPP(環太平洋経済連携協定)協定やPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)、改正水道法、改正入管法、種子法廃止など「トンデモ法」の一括見直し・廃止も含まれる。
経済政策に関する項目が目立つ。山本氏は2年前から立命館大学の松尾匡(ただす)教授に師事し、マクロ経済学の勉強を続けてきた。「日本は財務省の影響で、二言目にはプライマリーバランス(基礎的財政収支)と冷や水を浴びせる。みんなの消費が薄くなり、その結果、生産能力まで失っていった。雇用を含めての経済政策、何よりも20年のデフレ脱却をする。すでに衰退国家にある日本を何とか救いたい」と強調した。
夏の衆参同日選も想定し、寄付を募る。今のところ国会議員は山本氏1人だが、立候補者の数は集まる額によって決める方針だ。試算によれば、参院で10人候補者を立てるには3億円、2人区以上の13選挙区すべてと比例区で25人立てるには3億円が必要。さらに衆院比例区で45人の候補者を立てるには、10億円が要る。
「5月31日までに1億円を集めたい。それができれば、3〜5億円集められるはず」と意気込む。1億円集まらない場合、山本氏は東京選挙区から無所属で立候補する考えだ。
立候補者は「数人いるが、一般公募もする」と山本氏。「当事者で固めたい。非正規労働者や障がい者も含め、各分野の方はそれぞれ、その道の専門家だから」と述べ、既存のプロ政治家への挑戦もにおわせた。
ただし、直前まで野党共闘は模索する考えだ。「(野党)最大会派の立憲民主党は今のところ独自で戦う方針。これでは、安倍さんは(自民党総裁)4期目に突入し、国が壊されていくスピードを緩めることはできない。新党は違う角度から野党結集を促すとともに、それがかなわなかったとき、多くの方々に今の窮状を救うような政治勢力にお力を借りたいから」。
共闘模索と同時並行で進める新党づくりだが、野党各党で政策の一致ができれば、新党の旗を降ろす方針だ。消費税5%がその試金石になる。「消費税はゼロにすべきだが、少なくとも、減税できなければ期待はもてない」ときっぱり。
刷りたての政治団体代表のポスターには、「本物の好景気をみせてやる」と記されている。「これは上から目線ではなく、自分に向かって言っている」と現実政治への関与に覚悟をにじませた。
「毎年2万人以上が自殺し、自殺未遂も50万人以上に上る。生きるのも地獄のこの状況を変えなければ」
記者たちの「財源は」との質問に、景気がよくなれば増税により税収も伸びると説明。消費税を廃止すれば物価が8%下がり、実質賃金が上がるとしたうえで、新聞に軽減税率が適用されていることを念頭に「新聞も、いうべきことは言って」とくぎを刺した。
山本氏は2013年の参院選で東京選挙区から無所属で立候補し、初当選。今夏改選を迎える。
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「れいわ新選組」公式HP<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。
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