中国経済新聞に学ぶ~「中国市場」再び活況 任天堂株が17%高(後)
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情報によると、任天堂が販売するソフトは暴力的なシーンが描かれたものはないようだ。これまで任天堂のゲームは世界で販売されてきたが、各国の規制に引っかかった例もない。任天堂はこれまでも中国で現地法人を通じ「ニンテンドーDS」といったゲーム機を販売した実績がある。中国広東省政府からの許可が正式におり、販売が決まりさえすれば、その後のスケジュールは比較的スムーズに進むとみられる。
中国の業界団体が発行する「中国ゲーム産業報告」によると、中国のゲーム市場は18年で2,144億元(約3兆6千億円)と世界最大規模だ。うち6割がスマホ向けゲームで、家庭用ゲーム機の比率は0.5%。伸びる余地は大きいとみられる。「スイッチ」の世界販売台数は19年3月期で1,700万台を見込む。
約14億人という世界最多の人口を抱える中国市場への参入の足がかりをつかんだことは、世界のゲーム市場での任天堂の優位性を一段と高める可能性を秘めている。ポジティブに捉えていいだろう。テンセントが中国での販売自体を担うことになれば、任天堂は販売に関わるコストを負担しなくてすむ。そのため純粋に販売増が利益につながることもプラスだ。
「中国市場に進出すれば、株が上がる」、この「冗談」は、今や現実になっている。任天堂だけではなく、ソニーも中国でアニメビジネスに本格参入することで、株を上げた。4月19日、日本経済新聞朝刊は「ソニーが中国でアニメビジネスに本格参入する」と報じた。上海に現地法人を設立し、中国企業とアニメ作品を共同制作するほか、キャラクターグッズの直販も始めるという。このニュースの発表で、ソニー株も32円上がった。
中国のアニメ産業の市場規模は18年に1,750億元(2兆9,000億円)だったとされ、19年には3兆円を超える見通しだ。時折アニメを視聴する「ライトユーザー」も合わせると、愛好者は2億人いるとされる。ソニーは中国市場の拡大に伴い、日本と同様のビジネスモデルで事業を強化する構えだ。
任天堂、ソニーが中国で新しい事業に本腰を入れると決めたのは、中国の知的財産権の保護強化、海賊版の取り締まりを強化し始めたことが背景にあるという。中国では長く不正にコピーしたゲームソフト、アニメ作品を流す「海賊版」が横行。一部外資企業は現地 の事業拡大には慎重な姿勢をとっていた。アメリカ政府も中米貿易摩擦の1つの課題として、中国に圧力をかけている。このため、今年3月の全人代で、「外資投資法」を早々と成立させ、「知的財産権を全面的に保護する」とPRした。これが、任天堂、ソニーの中国新 事業展開の「呼び水」となった。
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