私的リーダー論(中)
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大さんのシニアリポート第78回
組織(この場合は「ぐるり」)の存在と、来亭者の数を増やすためには、「ぐるり」の品目(運営の内容)を地域に知ってもらうことが肝要
6月8日(土)に地域にある公民館の多目的ホール(200席)で講演会を開催する。講師は、拙著『親を棄てる子どもたち~新しい「姥捨山」のかたちを求めて~』(平凡社新書)にご登場いただいた桜井政成(立命館大学政策科学部教授)さんである。今回で4回目の自主講演会である。
なぜ「ぐるり」のような小さな組織が(それなりに大きな)講演会を開くのだろう。それは「ぐるり」の存在を住民に知ってもらうためである。年に4回発行している『ぐるりのこと』(季刊紙)も同様である。存在を知ってもらうことは、来亭者の増加(入亭料を稼ぐため)、結果として「寄付」という集金にもつながる。地域への発言力も増す。
リーダーは人がやりたがらないことを率先してやる
各種イベントの企画、出演者の交渉、市や各公的な団体などの「後援名義使用」の許可願い、援助金の申請、関係部署との関わりなどは現有スタッフに任せることはできない。広報紙『ぐるりのこと』の原稿書きは私だ。こうした煩雑な事務手続き、交渉などは適任者が不在ならリーダーの仕事となる。広報紙の発行、援助金(寄付)要請などの手紙などは私の手になる。
リーダーは(スタッフなど)一番やりたがらないことを率先して引き受ける。「ぐるり」で最も嫌われているのが、チラシや広報紙などのポスティングである。3,000枚を各家庭に配布する。これが実に面倒なのである。はじめのころ、配布したばかりの広報紙を、私の目の前で破り捨てられたことがあった。集合住宅のポストに配布された広報紙を、ある住民がポストから取り出し、床に撒くという嫌がらせを受けた。あれから足かけ12年、『ぐるりのこと』を楽しみにしてくれる住民が増えた。配布時に、「ごくろうさま」という言葉をいただくようになった。なにごとも続けることが肝要だ。
(つづく)
<プロフィール>
大山眞人(おおやま まひと)
1944年山形市生まれ。早大卒。出版社勤務ののち、ノンフィクション作家。主な著作に、『S病院老人病棟の仲間たち』『取締役宝くじ部長』(文藝春秋)『老いてこそ二人で生きたい』『夢のある「終の棲家」を作りたい』(大和書房)『退学者ゼロ高校 須郷昌徳の「これが教育たい!」』(河出書房新社)『克って勝つー田村亮子を育てた男』(自由現代社)『取締役総務部長 奈良坂龍平』(讀賣新聞社)『悪徳商法』(文春新書)『団地が死んでいく』(平凡社新書)『騙されたがる人たち』(近著・講談社)など。関連キーワード
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