九州地銀(18行)の19年3月期決算を検証する(1)
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九州地銀(18行)の2019年3月期の決算が出揃った。【表1】、【表2】を見ていただきたい。
〜この表から見えるもの〜
2019年度3月期の決算をトップで発表したのは、筑邦銀行と北九州銀行の2行で5月10日(金)だった。
・週明けの13日(月)は大分銀行と南日本銀行の2行と、ふくおかFG傘下の4行(福岡・熊本・親和・十八)の6行。難産のすえ経営統合が認められた十八銀行は、4月1日付でふくおかFGの傘下に加わった。来年10月1日付で親和銀行と十八銀行は合併し、十八親和銀行(本店/長崎市となる。
・14日(火)は西日本FHの2行(西日本シティ・長崎)、九州FGの2行(肥後・鹿児島)、宮崎銀行、佐賀銀行、福岡中央銀行、宮崎太陽銀行、豊和銀行、佐賀共栄銀行の10行。昨年の決算発表は5営業日だったが、今年は3営業日に短縮している。
株主総会は6月21日(金)〜6月27日の4営業日での開催予定。トップは九州FGで6月21日、いずれの株主総会も午前10時からの開催となっている。
【表3】、【表4】を見ていただきたい。
〜この表から見えるもの〜
今年頭取が交代するのは2行。佐賀銀行は2012年6月から約7年近く頭取の座にあった陣内芳博氏が4月1日付で代表権のある会長となり、後任には坂井秀明常務(59歳/青山学院大卒)が就任している。陣内氏は松尾靖彦頭取(大蔵省出身者)の後を受けて就任をしており、二代続けてプロパー頭取の誕生となった。もう1行は山口FG傘下の北九州銀行で、6月24日付で藤田光博頭取が会長となり、嘉藤晃玉専務取締役が頭取に昇格する予定となっている。
九州地銀18行のうち会長と頭取(兼任を含む)が就任している銀行は9行で、頭取だけの銀行は9行となっている。
・ふくおかFGおよび福岡銀行の谷正明会長は4月1日付で退任し、柴戸隆成頭取がふくおかFGと福岡銀行の会長を兼任している。
就任期間が長いのは西日本シティ銀行の久保田勇夫会長(76歳)。大蔵省出身。国土庁長官などを経て、2006年6月頭取に就任。2014年6月から代表権のある会長に就任しており、通算13年間。
・頭取の就任期間が一番長いのは日本勧業銀行出身で、筑邦銀行の佐藤清一郎頭取(70歳)。就任期間は10年を越えている。
・次に頭取就任期間が長いのは三和銀行出身で、豊和銀行の権藤淳頭取(67歳)。就任期間は7年。就任期間が長い3人はいずれもプロパーではないのが気になる。はたして、後継をプロパーから選ぶのか。それとも外部から再び招請するのだろうか。
トップ26人の出身大学を見ると慶応大卒が8人。東大卒3人と九大卒3人が続く。福岡銀行の柴戸隆成頭取(兼会長)は慶応出身。西日本シティ銀行の谷川浩道頭取は東大出身で、ともに修猷館高校の同級生であり、今も戦いが続いている。
<まとめ>
日銀はゼロ金利政策に続き、追い打ちをかけるようにマイナス金利政策を導入しており、地域金融機関の収益環境は悪化している。これから厳しい経営を余儀なくされている九州地銀(18行)の19年3月期決算を検証していくことにしたい。
(つづく)
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