「今のペースでやったら死ぬ」と勢力拡大を期す 山本太郎~富山
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「れいわ新選組」の山本太郎参院議員が8日、富山市内で開かれた市民との対話集会で、共闘する仲間に既存の政治家を排除しない考えを示すとともに、過密日程で孤軍奮闘する自身の状態について「今のペースでやったら死ぬ」と述べ、夏の選挙での勢力拡大が生命線であることを強調した。
サンシップとやまで開かれた「山本太郎とおしゃべり会」には、約60人が集まった。新党結成の「決意」と「8つの緊急政策」を説明した後、原発や入管法改正、NHKの在り方などについて質疑が交わされた。
2日の新潟での街頭会見で「プロの政治家は要らない」趣旨の発言があったことについて、筆者が真意をただした。山本氏は「有権者の声より自分たちの都合や派閥の“おやじ”の思いを優先する政治屋のことを表現したかった。もともと政治家だった人や、今やっている人とは組まないと言っているわけではない」と述べ、既存の政治家を排除する意図ではないことを明かした。「本当は白なのに、親分が黒と言うから黒だという人は必要ない」と補足した。
「どのような動きで勢力を拡大していくのか」との質問があった。山本氏は「選挙で増やしていく」と述べ、寄付とボランティアへの参加を呼び掛けた。寄付については、「日本では世界で一番高い供託金を課せられる中、政党助成金と企業献金もない私がどう戦うかを考えた結果」であると説明した。
「衆参同日選挙で挑戦するには10億円が必要だと想定し、1人1万円寄付すれば10万人が、1人500円なら200万人が必要。でも、死にそうな人は、出さなくて結構です。栄養が足りなくて『500円を』でなく、そのお金で食べてください」
ボランティアには、チラシ折りや当事者としての政策提言など多くの種類があることを紹介した上で、自宅でのポスター張りと掲示依頼回りの重要性を強調した。
「私は経団連の批判を具体例を挙げてしているからテレビに出られない。マスコミは広告枠を買ってもらっている側で、企業に弱い。皆さんの住む町中で広告としてのポスター張りは、力になる。山本のポスター張っているだけで、『あなた、こういう人なんでしょ』と思われ、根性が要るけど」
実際、会場にテレビ・新聞は1社も来ていなかった。
山本氏は2月以降、毎週末地方に出向いて市民と対話し、平日は首都圏で演説する。身を削っての奮闘を見かねた参加者が、「企業から10億円ぽんと払ってもらえる方が、今のどさ回りより楽ではないか」と質問した。
これに対し、「山本太郎一座です」とおどけた後、「テレビの視聴率1%が100万人に対し、街頭演説で何人に届くか」と厳しさを認める一方、「草の根の運動は大変だが、やるしかない。今のペースでずっとやったら、死ぬ。参院選単独になるか衆参ダブル選になるか分からないが、この夏の選挙にかけている」と吐露した。
「私1人でなくなるのは重要なこと。(公職選挙法などが定める)政党になり、スピーカーが増えていくだけでなく、いい制度とは思わないが政党助成金も入り、アウトソージングできるものもかなりある。1人当たりにのしかかるものも軽くなる」と、次の選挙での躍進が自身を助けるとの考えを示した。
その上で、「企業側は自分たちのコントロールの利く人たちを(国会の)中に確実に増やしていくことができている」と述べ、労働者派遣法改正や外国人労働者受け入れ、ホワイトカラーエグゼンプションなど、実現した経団連の提言一覧を掲げた。
「全部、経団連がやれと言ったことに応えてきた。一方、コントロールしないと自分たちが壊れていくことを意識せずに来た人たちもいる。忙しいぎりぎりの生活の中で、それどころじゃなかったのだろう。でも、コントロールする力があることをみんなで確認したい。あなたがこの国で一番の有権者なんだと」
そう真剣に訴えた後、「3割集めれば、(現与党と)逆のことができる」と促すと、会場から拍手が起きた。
石川県七尾市に住む55歳の主婦は、夫と娘を連れて参加した。「今回、かけていると言ったので、頑張っていただきたい。今の政権は経団連の方ばかり向いて、国民は二の次、三の次。モリカケも、全部うそをついて責任取らずに終わらせているところが気持ち悪い。山本さんは国民を第一に考えてくれる方だと思う」と話していた。
初めて山本氏の話を聞いた社会人の娘さん(28)は、「ちゃんと生活弱者のことを分かっておられる方だと思った。応援したい」と期待を寄せていた。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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