「(それは)立憲民主党です」、山本太郎氏が戦う姿勢見せない野党を名指しで批判~広島
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衆参両院で予算員会が開かれないまま通常国会の会期末が迫る中、新党「れいわ新選組」の山本太郎参院議員は16日、広島市内で開かれた街頭記者会見でこの状況をつくったのは戦う姿勢が見られない野党にも問題があると指摘し、その元凶は「立憲民主党」と暴露した。
毎月勤労統計の不正やイージス・アショアの配備地選定をめぐる調査誤り、国家戦略特区ワーキンググループの議事要旨隠蔽(いんぺい)、老後「2,000万円必要」報告書の撤回、トランプのツイートで発覚した日米「FTA」密約など問題が山積するが、与党側の反対で予算委員会は衆院で100日超、参院で80日近く開かれていない。
街頭記者会見で、市民から「この状況をどう変えるか」と質問があった。山本氏は議席数で圧倒する自民・公明両党に主導権がある現実を説明する一方、「野党側にあらがう武器がまったくないわけではない」と、本会議などで一切の審議に応じなければ与党側が耳を貸さざるを得ない状況が生まれるとの考えを示した。
「その機会はゴールデンウイーク前にあったが、早々と審議拒否・戦う姿勢をやめた。本会議開催に付き合った野党がいる。だからこんなことになった」とこぼした。その原因を「ずる休みといわれるのが嫌だったみたい」と分析する。
昨年のゴールデンウイーク前、審議拒否した野党を首相側近や維新、産経新聞は「職場放棄」「早くも大型連休」「欠席戦術」などと攻撃していた。これがこたえたのかもしれない。
今年の対応について、山本氏は「徹底的に戦うということをやっていない。言わん方いいかな」とためらい、間を置いてから「言った方がいいか。立憲民主党です。言っちゃった。立憲民主党です」と声を大きくした。勇敢な発言に、集まった200人ほどの聴衆から拍手が起きた。
「野党第一党がまず与党と交渉し、ここでしっかり戦う姿勢を見せなければ、結局流される。それなのに、本会議での採決に応じた」
国民民主党・新緑風会に無所属として所属する山本氏は、同じ会派の議員と「本当、意味分かんない。せめて選挙前だけでも戦う姿勢見せないのかねえ、と話していた」と振り返った。そのうえで山本氏は、「立憲民主党の(支持者の)人はがっかりしているかもしれないが、がっかりしている場合ではない。支持者なら、お尻をたたいて」と党や所属議員に圧力をかけることを促した。
立憲・国民の両党は、大企業の労組が支持母体になっている関係から、本気の与野党対決に消極的なのかもしれない。消費増税をめぐっては旧民主党だった2012年、「税と社会保障の一体改革」で3党合意している。
ただし、山本氏の名指しの告発は「戦うふりをしながらテーブルの下で手を握る政治」を終わらせ、「がちんこでけんか」できる状況をつくり出すため。それには野党議員の覚醒が必要だ。
実際、「れいわ新選組」に寄付金が5億円集まった場合、参院選の選挙区は2人区以上のみに候補者を立てる計画だ。しかも、野党が消費税5%への引き下げで共闘できた場合、新党の旗を降ろすと宣言している。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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