消費税増税強行=参院選単独実施は本当なのか
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は消費税増税は"亡国の政策"である断じた6月13日付の記事を紹介する。
消費税増税が間違っている理由を三つ挙げてきた。第一は、日本経済を深刻な不況に転落させること。第二は、消費税増税が格差拡大をさらに推進すること。第三は、消費税増税が零細・中小企業を直撃すること。消費税増税を阻止しなければならない。
安倍内閣が消費税増税を強行して参院選を単独実施するとの見方が強まっているが、予断を許さない。過去には、中曽根内閣の「死んだふり解散」という事実があるからだ。1986年に、解散はないと見せかけておいて解散を断行した。この「死んだふり解散」によって衆参ダブル選が実施された。状況に類似点があるわけで、6月19日の党首討論、通常国会会期末に向けての野党による内閣不信任案提出などの要因によって、衆院解散、衆参ダブル選が実施される可能性は、まだ消えていない。自民党の参院選公約に消費税増税が書き込まれたが、政策BANKという資料に小さく1文が書き込まれているだけで、簡単に消去できる。大量印刷はまだ行われていないのではないか。
消費税増税に突き進めば、日本経済は深刻な不況に突入する。すでに日本経済は景気後退に移行している可能性が高い。消費税増税は、この動きを加速させる最大の要因になる。2012年12月の第2次安倍内閣発足後の日本経済は超停滞を続けている。その超停滞の日本経済が本格的な不況に移行することになる。
日本経済でいま、もっとも重要な経済問題は格差拡大である。多数の国民が下流に押し流されていることが問題なのだ。フルタイムで働いているのに年収が200万円に届かない労働者が1,100万人を超えている。
安倍内閣は大資本が求める労働コストの削減を全面的に支援している。「働き方改革」という言葉が用いられたが、実態は「働かせ方改悪」である。長時間残業が合法化され、新しい残業代ゼロ労働制度も創設された。人手不足と言われる業界があるが、人手不足を解消する方策である賃金引き上げが推進されていない。それどころか、人手不足と言われる分野の賃金を引き上げないために、外国人労働力の大量輸入を実現するための入管法改定が強行された。安倍内閣は「賃金不足」を是正する考えを保持していないのだ。
金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」(2018年)によると、2人以上世帯における所得ゼロ世帯の57.1%、所得300万円未満世帯の28.4%が貯蓄ゼロである。単身世帯では、所得ゼロの世帯の55.6%、所得300万円未満世帯の40.2%が貯蓄ゼロである。金融庁が老後の生活には2,000万円の蓄えが必要であるとの報告書を発表して論議を呼んでいるが、これらの所得の少ない階層の人々に、安倍内閣はどう説明するのか。
金融庁公表数値は、男性65歳以上、女性60歳以上の2人世帯で、30年生存する場合、2,000万円の蓄えが必要だとしたが、この資産の前提は、この夫婦に月21万円の収入があるというものだ。国民年金では満額支給でも2人で13万円にしかならない。収入が13万円になると、必要になる蓄えは4,680万円に跳ね上がる。
※続きは6月13日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「主権者が知って驚く財務省の正体」で。
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