「小泉・竹中ろくでもない」、大コール響く山本太郎の演説
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「小泉・竹中ろくでもない、小泉・竹中ろくでもない」。街中に市民の大コールが響いた。れいわ新選組から比例代表で立候補している山本太郎氏(44)の演説中、山本氏に促された聴衆が、小泉・竹中の両氏が行ってきた国家破壊の責任を糾弾している。
小泉純一郎内閣時、閣僚として二人三脚で郵政民営化や公共事業の削減、医療保険料の自己負担引き上げなど亡国施策に明け暮れた竹中平蔵氏は、現在も安倍晋三内閣で産業競争力会議や国家戦略特区諮問会議などの民間議員を務め、グローバル資本のための規制改革を「提言」している。
19日正午すぎ、名古屋市の中心部、栄(さかえ)にある松坂屋前には、山本太郎氏の演説を聴こうと、約600人の市民が足を止めていた。山本氏は消費税廃止の必要性を訴えた後、50年来続く少子化問題に言及。「奨学金徳政令」を提案した。
現在、奨学金を借りたり、返している人は555万人。大学生の2人に1人が借り、うち6〜7割が有利子で返済する形の契約だ。「この利息だけで年間350億円が金融機関の懐に入る。おかしくないですか。もうすでに若い人たちは食い物にされている。それを加速させたのは誰か、小泉政権時代。ろくでもないですね」と糾弾した。
山本氏は「名古屋に来て脱原発とか言ってるときに、『純ちゃん』とか言った人いるんじゃないですか」とやゆした後、「この国の労働環境をぶっ壊したんですから、竹中平蔵と一緒に。そればかりか、米国の世界戦略、大義のない戦争に、大量破壊兵器があるという米国にどの国も手を挙げなかったときに、日本が真っ先に賛成してイラク戦争に突入した」と責任を問うた。
イラク戦争はいまだ終息していないと指摘し、「IS(イスラム国)が誕生する原因を作った、その片棒を担いだということを、この国に生きる人々はずっとシェアしていかなければいけないと思う」と主張。
「ろくでもない、小泉・竹中ろくでもない」と吐露した後、「ちょっと私1人で言ってたら心細いから、みんなも一緒に言ってもらっていいですか。小泉・竹中ろくでもない」と音頭を取り、唱和を促した。
百貨店前の歩道を埋め尽くす黒山のような聴衆は、「小泉・竹中ろくでもない」「小泉・竹中ろくでもない」と声を張り上げた。
4度、繰り返すと、「皆さん、大きい声出し過ぎですよ、本当に」と笑いながら制止する。小泉氏が自民党をぶっ壊すと言いながら日本をぶっ壊し、新自由主義的な考え方で国を切り売りし、国民を踏み付けてきたことを説明していると、聴衆から「派遣法やめろ」とやじが飛ぶ。
山本氏は「おっしゃる通りです。派遣法の始まりは、中曽根時代ですよ。まずは最初、特定した仕事だけという話だった。それを最大限まで拡大したのが小泉・竹中」と指弾。「非正規労働者が4割ですよ。半年後の自分、1年後の自分がどうなっているかイメージできない。いつまで働けるか分からないんだから、将来に希望なんて持てませんよ」と訴えた。
小泉・竹中の両氏を糾弾するコールは翌20日も、山梨・JR甲府駅前の演説で実施された。「皆さん、本当に思ってるんですか」と挑発して始まった唱和の後、「国会議員辞めてんのに、今も自分の都合のいいときには大学教授みたいな話にして、民間議員の立場で自分たちにどんどん利益を横流ししている。本当にろくでもない話」と重ねた。
現在、東洋大学教授の肩書きを持つ竹中氏は人材派遣会社、パソナの会長に就きながら、派遣先を広げる派遣業法改正や、人材会社に300億円の予算が流れ込む労働移動支援助成金制度を「提言」し、実現させてきた。2015年から始まった「外国人家事支援人材」事業は国家戦略特区諮問会議で自身が提案し、パソナを含む6事業者が認定されている。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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