トラブル頻発が表面化した産廃業者(5)判決言い渡しも控訴へ
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大分市の産廃処分場運営の(株)大分大和(同市片島、根本学代表)がここ数年間で過去の複数の取引先を相手に提訴を行っている。トラブルの要因を見ていくと、経営者の交代がその根本にある。関係者への取材から元代表時に締結した契約について、現経営陣がそれを否定するかたちで、取引業者を提訴していることがわかっている。
「原告の請求を棄却する」――前項(4)で述べた単価契約をめぐる取引先との訴訟において、大分地裁が6月末、判決を言い渡していたことがわかった。原告は大分市内で産業廃棄物の最終処分場を運営する(株)大分大和で、被告は福岡県内の中間処理業者C社。原告の大分大和は廃棄物処理費用1m3=2,800円での契約であると主張し、未払いとなっている1,927万円を請求。被告C社は前払金を前提とした契約単価1m3=1,500円での取引だったと主張していた。
裁判資料から裁判所の認定事実のうち、争点を整理する。
(1)「原告と被告との間で代金の合意があったか」について
被告C社は平成26年9月頃、当時原告の代表だった川島淳子氏との間で合意がなされたと主張しているが、認定された事実では平成27年9月から10月ごろ。当時、すでに川島氏は代表権を有していなかったことから、合意の効果が原告に帰属するとはいえないとした。
(2)「原告は代金合意について追認したか」について
川島氏の独断による合意が発覚した後、原告と被告の間で協議した。被告が優良顧客であったことを考慮して取引を継続する方向で解決を図り、前払金の残額の限度で従前どおり1m3=1,500円で産廃を受け入れ、前払金の残額を超える分については協議することとしたことが認められる。原告に無断で川島氏が成立させたものであるが、協議の結果、原告はこれを追認したというべきとした。
(3)追認後の請求書について
追認後の平成28年4月および5月分の請求書には1m3=2,800円の記載が認められるが、被告は原告から受け取っていないという供述をしている。この請求書の存在が追認を妨げるものにはならないとした。
以上から大分地裁は原告の請求を棄却した。
この判決を受けてC社は「主張が認められほっとしましたが、原告側から高圧的な言動を受け、怖い思いをしたのは忘れません。川島さんは正直に話すと約束してくれたのに、法廷では真逆の証言ばかりで騙された気持ちです」とコメントしている。
なお、原告は一審の判決を不服とし、控訴しているという。
(つづく)
【東城 洋平】※関係者の指摘を踏まえ2022年11月18日改訂
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