これから本格化する地銀の経営統合を検証する(6)
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【表1】を見ていただきたい。前項の金融グループの当期純利益順位表は、経営統合による「負ののれん発生益」を計上している金融グループが3社あったため、経営実態が比較できなかった。そのため、3社を外した11社を掘り下げて見ていくことにしたい。
~この表から見えるもの~
金融グループ11社の19年3月期の当期純利益は前期比▲105億8,200万円の2,653億7,200万円(▲3.8%)。経常利益は前期比▲192億9,000万円の3,882億4,200万円(▲4.7%)と減少している。:経常収益は前期比+188億3,600万円(1.1%増)とわずかな増加となっている。
・当期純利益が前期比マイナスの金融グループは11社のうち、6社となっており、日銀のマイナス金利政策の影響が深刻であることが読み取れる。
当期純利益1位はコンコルディアで、前期比▲121億2,800万円の542億8,500万円(▲18.3%)と大きく減少している。経常利益は前期比▲176億4,900万円の803億7,300万円(▲18.0%)。経常収益は前期比▲211億600万円の3,064億9,400万円(▲6.4%)となっており、都銀と激しい競争を繰り広げていることが読み取れる。
・2位のふくおかFGは、前期比+22億8,000万円の516億4,900万円(4.6%増)。経常利益は前期比+24億5,700万円の740億9,300万円(3.4%増)。1位のコンコルディアとの差を縮めている。
・3位のめぶきFGは、前期比32億6,900万円の463億3,800万円(7.6%増)。ここまでが400億円以上の当期純利益を計上している。
・4位のほくほくFGは、前期比+31億6,800万円の243億5,900万円(14.9%増)と、大きく増加させている。
・当期純利益5位は、北九州銀行を傘下にもつ山口FGで前期比▲97億6,800万円の231億4,800万円(▲29.7%)。経常利益は前期比▲143億9,400万円の334億3,000万円(▲30.1%)と、大きく減少しているのが目を引く。
・6位は西日本FHで、前期比+14億3,200万円の228億9,900万円(6.7%増)。経常利益は前期比+4億7,500万円の344億1,200万円(1.4%増)と、わずかではあるが増加している。
・7位は九州FGで前期比28億700万円の222億200万円(14.5%増)。経常利益は前期比43億3,600万円(14.8%増)と、西日本FHを追い越そうとする勢いが見える。
・8位はトモニHDで、前期比▲9億9,500万円の101億6,300万円(▲8.9%)となっている。ここまでが当期純利益100億円以上となっている。以下、9位は東京きらぼしFG、10位はフィデアHD、最下位の14位はじもとHDとなっている。
<まとめ>
~この表から見えるもの~
【表2】を見ていただきたい。金融グループの20年3月期の予想収益順位表である。
金融グループ14社の2020年3月期の当期純利益は、前期比▲501億500万円の3,928億5,000万円(▲11.3%)と大きく減少する予想となっている。
「負ののれん発生益」の特別利益を計上した第四北越FGは8位、関西みらいFGは9位。三十三FGは12位となっている。ふくおかFGは十八銀行の「負ののれん発生益」により、1,585億円を予想しており、トップの座に付く。九州FGの当期純利益予想は228億円。西日本FHは210億円となっており、順位が逆転する。はたして、金融グループ14社は、予想通りの収益目標を達成することができるのだろうか。
(つづく)
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