『有効求人倍率』の落とし穴
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福岡労働局によると、2017年8月の福岡県における有効求人倍率は1.5倍で、前月より0.5%、前年同月より0.16%高い値となりました。
有効求人倍率の増加により、「売り手市場」として求職者は有利な状況であると思われがちです。しかしこの有効求人倍率には、注意点が存在します。
まず、有効求人倍率は職業紹介安定所(ハローワーク)に登録された求人数・求職者数による統計であり、すべての求人・求職者が反映されているわけではないということ。
そして、含まれる求人のなかには無期労働契約(雇用期間に定めのないもの)だけでなく、有期労働契約(雇用期間に定めがあるもの)も含まれているということです。つまり、長期間安定的に働ける仕事ばかりでなく、数カ月で雇用御契約が切れる求人も有効求人に数えられているのです。たとえば、大阪府の17年8月の有効求人倍率は1.59倍。しかし、無期労働契約(一般)だけで見ると1.35倍に下がり、正職員に絞ると1.08倍となります。また業種で絞ると、一般事務職はパートタイムを含めても0.51倍でしかありません。いくら「売り手市場」だからと言っても、自分の希望する職種に、安定して就けるという保証があるわけではないのです。
なお、有効求人倍率を無期労働契約(常用)と有期労働契約(パート)と分けて算出しているのは大阪と東京だけです。福岡でも無期と有期を混合した求人倍率しか発表されておらず、わかりにくい状況となっています。有効求人倍率はたしかに求人市場動向を図る1つの指標になりますが、“有効求人倍率の増加=すべての職種で就職が有利”とは言えないのです。
こうした求人市場のなかで少しでも条件の良い、希望の職種に就職するためには、自分自身のスキルアップが必要不可欠。資格の取得など、「事務しかできない・希望しない人材」ではなく、「事務もできる人材」になることで、就職の幅を広げていくことが採用を勝ち取る1つのコツだと言えるでしょう。
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