有期労働契約者の無期雇用転換
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前回、労働者の契約には「有期契約」と「無期契約」があることを説明しましたが、有期契約労働者も一定の条件を満たせば、無期契約労働者に転換できることをご存知でしょうか。
日本では有期契約労働者の3割が、通算5年を超えて同一の企業で働いているという実態があります。つまり、恒常的に勤務する不可欠な存在であるにも関わらず、無期雇用になれず、有期期間で更新を繰り返してきた労働者が大量に存在しているのです。これを打破するため、2012年8月成立の「改正労働契約法」で有期契約労働者の無期契約転換ルールが定められ、13年4月1日より施行されています。
今回はこの無期契約転換ルールなどについてご紹介します。有期契約労働者と無期契約労働者
有期契約労働者:契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの名称を問わず、雇用期間が定められた社員。
無期契約労働者:契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの名称を問わず、契約期間に定めのない社員。
※あくまで契約期間の有無で区分されるため、「無期契約=正社員」ではありません。転換のルール
誰もが有期契約から無期契約にできるかというと、そうではありません。有期契約労働者が無期契約への転換を申し出るには、以下の要件を満たしていることが必須となります。(1)有期労働契約が通算5年以上経過している
※通算契約期間は、改正労働契約法施行日の2013年4月1日以降に開始した期間のみが
算定対象となるため、それ以前の有期労働契約は算定の対象となりません。
※契約期間が5年を経過していなくても、3年の有期労働契約を更新した
(通算契約期間自体が6年になる)場合、4年目には無期契約転換の対象となります。
(2)有期労働契約の更新回数が1回以上
(3)同一の使用者との間での契約である
※同一の使用者:労働契約を結んだ締結主体(企業)が単位となります。異動などで
勤務地が変更しても、労働契約の締結主体に変更がなければ同一の使用者との契約となります。上記の要件を満たす有期契約労働者が、契約期間中に使用者に無期転換の申込みをした場合、使用者(企業)は申込みを承諾したものとみなされ断ることはできません。
来年4月1日は、この無期転換ルールが施行開始された13年4月1日から5年が経過します。通算算定期間5年を経過する有期契約労働者が出てくるため、多くの無期転換希望者が出ると予想されます。
だからと言って、契約期間が通算5年に達した有期契約労働者の全員を無期労働へ転換しなければならないわけではありません。前述したように、対象者が使用者に申し出をすることで、初めて転換が図られますので、有期契約の方が都合がいいという労働者は、そのままの契約で問題ありません。
無期契約転換への申し出の期間は、その契約の初日から末日までです。通算5年の労働期間が来るからとあわてず、しっかりと自分にあった働き方を見つめなおし、選択していきましょう。
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