次世代の日本ラグビー界が進化、発展するために(前)
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(公財)日本ラグビーフットボール協会 会長 森 重隆 氏
日本ラグビーフットボール協会(以下JRFU)の14代目会長に就任した森重隆氏。今年9月20日から始まる、アジア圏では初のラグビーワールドカップ2019™日本大会(以下W杯)開幕まで1カ月あまりとなった。日本ラグビー界にとって一大イベントのホスト国のリーダーとして、さらにW杯後の日本ラグビー界の方向性、そして在り方について聞いた。
次世代の日本ラグビー界のために――まずは、JRFU会長ご就任おめでとうございます。就任された率直なご心境をお聞かせください。
森重隆会長(以下森会長) ありがとうございます。率直に申しますと、「大変な任務を拝命した」という心境です。W杯ではこれまで準備してきたことを結実し、必ず成功させます。そして、日本代表の前回W杯(2015年のイングランド大会)からのさらなる躍進を期待しています。
先の宮崎、そして岩手、大阪でのキャンプへ激励を兼ねて視察いたしました。順調に進んでいるという感想です。W杯本戦については、対戦してみないとわかりません。いずれにせよ、日本代表の戦績に関わらず、来たるW杯は大いに盛り上がると確信しております。
むしろ私は、日本ラグビー界発展のためには「W杯後」が大事であり、その方針が喫緊の課題だと認識しております。それに向き合い、改革していくことが、私の使命です。つまり、“ラグビーブーム”が一過性ではなく、この先も続いていくためにどうしていくのかというアクションを、具体的に起こして実践しなければなりません。
――森会長が会長に就任された経緯についてお聞かせください。
森会長 スポーツ庁が答申するガバナンスコードのなかで、中央競技団体の役員は「70歳上限を基準」つまり、70歳で役員を退くことを提唱しております。JRFUにおいても「同庁が推奨するガバナンスコードに沿った役員人事での体制づくりを実行しよう」となりました。それでは次の会長は誰なのかとなった時に、67歳の私の名前が挙がったのです。
――森会長のこれまでの経歴や経験などにより、白羽の矢が立ったと存じます。会長就任の打診を受けられて「待ってました」と、すぐにお受けになったのですか。
森会長 いや、その逆で、「私より適任者がいる」としてすぐに辞退いたしました。この歳でJRFUの会長という重大な任務に就くなど、まったく考えてもいませんでしたから。
――副会長、専務理事の若返り、理事などの役員もラグビー界以外からの新任が多く見られますね。
森会長 前体制より4歳若返りました。しかし、「若ければ良い」ということではありません。組織を冷静に見ていただく重鎮は必要ですし、ラグビー界以外の世界でご活躍されている方々に名を連ねていただきました。実行力のある組織に進化させていくつもりです。
(つづく)
【河原 清明】<プロフィール>
森 重隆(もり・しげたか)
1951年11月6日福岡市生まれ。福岡県立福岡高等学校からラグビー選手として活躍し、2、3年時に全国高等学校ラグビーフットボール大会に出場。明治大学に入学して1年次から公式戦に出場。4年時に日本代表に選出される。同学卒業後、74年に新日本製鐵(現・日本製鐵)釜石製鉄所に入社。同社ラグビー部に所属し、78年〜84年まで日本選手権7連覇したなかの1〜4連覇に主将、選手兼任監督として貢献。引退後故郷に戻り、91年(株)森硝子店の代表取締役を継ぐ(現職)。その間、母校福岡高校ラグビー部のコーチ・監督となり後進の育成に務める。2015年にJRFUの副会長に就任。19年7月にJRFU会長に就任。現役時代は日本代表として27テスト。『ヒゲ森』の愛称で親しまれる。関連キーワード
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