香港、マカオ、深圳 視察報告 「世界一港湾都市」奪取計画の現在地(後)
-
-
QRコードで入店・決済する無人コンビニ 無人コンビニ外観 香港伝統の竹製足場 香港自治行政への「浸食」
香港国際空港のマカオ行きバスターミナルは大陸(珠海市)方面行の団体客が溢れ、長時間の待機を余儀なくされた。この際、我々日本人には何も言わない職員が、中国人団体客に対してわずかな列の乱れでも声を荒げて整列を促す場面があった。
10年ほど香港に在住する日本人は「あり得る」と指摘する。同氏は移住当初、大陸なまりで話していたことから何度も冷たくあしらわれたという。その後、自身が日本人と判明すると口調が柔らかくなり親密になったという。香港と中国や近隣都市との関係に変化が生じている。中国GDPの多くを担っていた香港は深圳ら大陸側の急成長により存在感が低下した。また、大陸からの移民や経済進出は不動産高騰の一因となっており、マンション価格の高騰を招いている。香港人や在留日本人は経済の活性化を喜ぶ一方で「政治面だけでなく、生活コストが上がったことに不快感をもっている」と口をそろえる。
政治・行政面でも明らかに中国政府の影響力が高まっている。深圳(福田駅)から香港(西九龍駅)までは延伸した高速鉄道を利用した。中国側の出国手続きと香港への入国手続きが香港側の駅で同時になされていたのだ。中国政府は向こう50年間の「1国2制度」の維持を示すが、中国政府により新設された行政機関による香港自治行政への「浸食」は既成事実化されている。
中国政府への反発や経済面での存在感低下があるとはいえ、海外と中国を結ぶ要衝には違いない。今後、香港・マカオ・広東省深圳市の3都市は政治体制の壁はあるものの、特徴や役割の棲み分けや役割分担で規模的にも機能的にも世界No.1の港湾都市エリアを実現しそうな気配だ。
デモの期間でも通常通りの香港 (了)
【鹿島 譲二】関連記事
2025年4月2日 12:002025年3月28日 16:302025年3月23日 06:002025年4月1日 12:302025年3月31日 17:202025年3月19日 10:002025年3月26日 16:30
最近の人気記事
2025年3月25日 11:30
2025年3月28日 17:20
2025年3月10日 16:00
2025年3月31日 09:30
2025年4月1日 11:45
まちかど風景
2025年4月2日 16:30
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す