日韓の経済力格差は?(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
筆者は1981年に日本に留学する機会を得た。日本は1954年から1973年までの19年間、実質GDP成長率が9.3%という驚くべき成長を記録し、いわゆる高度成長を経験した後であった。日本企業が全世界の企業ランキング上位にずらりと並び、高品質の日本製品は米国市場を圧倒するようになり、日米貿易戦争が引き起こされた時期でもある。その当時の日本は韓国に比べてあまりにも豊かで、韓国人としては日本の経済の豊かさが羨ましい限りで、日韓の経済力を比較すること自体がナンセンスだった。
当時、日韓の経済力格差は10倍以上あったと思われる。実体験としては、韓国では年に1度食べられるかどうかの高価なバナナが日本では普通にスーパーで売られていて、とても安かったので、びっくりした記憶がある。それにウォークマン、象印の炊飯器、ラジカセなど、韓国では購入できない高品質な電化製品が日本では市販されており、その当時、日本に行くことがあったら、秋葉原に行って、日本の電化製品をお土産として買って帰る韓国人が多かった。
「1億総中流」という言葉が流行し、日本では国民の誰もがそれなりに幸せな生活を営んでいるように見え、本当に感動した覚えがある。それを象徴するかのように、日本には都市の中心部以外の至るところに繁華街があるのも印象的だった。
当時、韓国は貧しい人が多かった。都心はそれなりに栄えていたが、中心街から少し離れると、景色が全然違っていた。一方、日本は1992年に世界で最初に国民1人あたりのGDPが3万ドルを上回るなど豊かであった。
しかし、その後20年以上、日本の名目GDPはあまり成長していない。日本の1人あたりGDPが3万ドルに達した時期、韓国の1人あたりのGDPは8,000ドルほどだった。しかし、韓国はその後成長を続け、日韓の経済力格差はかなり縮まってきた。昨年の日本のGDPは約5兆1,000億ドルであるのに対し、韓国のGDPは1兆7,000ドルである。
人口比率などを考慮すると、日韓の経済力は比較できるレベルになっている。1人あたりのGDPで比較すると、日本は3万9千ドルで、韓国は3万1千ドルである。日韓の経済力がかなり近接してきたことがわかる。今後、韓国の1人あたりGDPが日本を追い越すことになるだろうと予測する専門家が多い。
韓国に戻ると、経済発展に驚かされることが多い。ソウル郊外の衛星都市に行っても、ソウルの繁華街を彷彿とさせる光景によく出あう。
韓国人が海外旅行から戻り、よく口にするのが、「世界中どこに行っても韓国ほど恵まれて住みやすいところはない」という言葉である。国民自身も生活の豊かさを実感しているわけだ。
韓国はIT先進国で、世界のどこよりもインターネットのスピードが速いことは自慢しても良いだろう。韓国は輸出依存度の高い国なので、単純比較には無理があるが、日本の年間輸出額は7,348億ドルであるのに対して、韓国の年間輸出額は6,000億ドルくらいである。輸出規模も、日本とそれほど差が開いているわけではない。
(つづく)
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