2024年12月24日( 火 )

米シアトル訪問で得た多くの知見を糧に、さらなるレベルアップ

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(株)R.E.D建築設計事務所

(株)R.E.D建築設計事務所 代表 赤樫幸治氏

 「これまでは、海外というとアジアにばかり目が向いていましたが、将来的にアメリカ・シアトルに進出し、現地で戦ってみたいと思うようになりました」――と話すのは、(株)R.E.D建築設計事務所の代表を務める赤樫幸治氏。同社は、福岡を拠点にマンション・住宅・店舗などのデザイン・企画・設計・監理を手がけている建築設計事務所で、コストとデザインとのバランスに配慮された仕事ぶりに定評があり、顧客からの信頼も厚い。

 赤樫氏を始めとした同社のスタッフらは、この春に縁あって米・シアトルを訪れる機会に恵まれ、そこでの知見を得たことで出てきたのが冒頭の言葉だ。

 シアトルは、カナダとの国境にも近いアメリカ太平洋岸北西部にあり、海と山とに囲まれた自然の美しさから「エメラルドシティ」とも呼ばれる風光明媚な都市だ。そして、マイクロソフトやAmazon、スターバックス、ボーイングなど、世界に名だたる大企業が誕生した地でもある。シアトルを訪問した赤樫氏らは、Amazon本社にある新オフィス「Amazon Spheres」や、スターバックス本社を始め、ダウンタウンから郊外の高級住宅街まで、さまざまな場所を見て回った。

アマゾン本社
アマゾン本社
スタバ本社前にて<
スタバ本社前にて
ダウンタウンと湖
ダウンタウンと湖
スペースニードルからダウンタウン
スペースニードルからダウンタウン

 「設計的な視点から見た場合、シアトルの建築物が日本のものより優れているかといえば、正直なところ、そうでもありません。我々が刺激を受けたのは建築物自体というよりも、人々のライフスタイルなどを含めたシアトルの環境です」(赤樫氏)。

 シアトルは、Amazonやマイクロソフトなどの世界的なIT企業を生み出しただけあって、人々の働き方や暮らしぶりが、とてもオープンだという。その一方で、夜間には外で飲み歩いたりせず基本的にはファミリーで過ごすような、家族第一の堅実な価値観ももっている。そうしたオープンさと堅実さとが複雑に絡み合ったシアトルの“空気”に触れられたことが、一番の収穫だったと赤樫氏はいう。

 実は同社では、約5年前から月に1度のペースで社内での発表会を実施している。発表内容は、各人それぞれが1カ月の間に注目した建築物や建築家、設計事務所などについてで、常日頃から建築に関するアンテナを張ることと、設計や提案における引き出しを増やすことを目的としたものだ。そうした常日頃からの研鑽を欠かさない同社だからこそ、今回のシアトル訪問は、赤樫氏だけでなくスタッフにとっても、良い刺激となったようだ。

 「残念ながら、シアトルでは現地の方々をターゲットに設計を行っているような日本人はいないようです。というのも、ライフスタイルの違いから、なかなか日本人の発想が受け入れられにくいということと、向こうでは日本と比べて建築家の地位が高く、それだけハイレベルな戦いが繰り広げられているということが挙げられます。ですが、だからこそ私も建築家の1人として、『いつかシアトルに出たい』『己の力で挑戦したい』というような欲が、今回の訪問を機に沸々と湧いてきたようです」――と赤樫氏は、目を輝かせながら語る。

 訪問を機に、設計や提案の幅をこれまで以上に柔軟に広げつつも、将来的な海外進出をも視野に入れる同社。今後の展開が、ますます期待される。

平日の夜21時の風景 シアトル
平日の夜21時の風景

<COMPANY INFORMATION>
(株)R.E.D建築設計事務所

代 表:赤樫 幸治
所在地:福岡市早良区西新4-6-15 ル・リアン西新102
設 立:2009年7月
TEL:092-852-1730
URL:https://www.redoak.co.jp

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