九州地銀(18行)の20年3月期(19年6月期)決算を検証する (2)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の2019年6月期(第1四半期)決算の当期純利益順位表である。
~この表から見えるもの~
・19年6月期の当期純利益1位は福岡銀行。前年比▲16億8,400万円の114億7,200万円(前年比▲12.8%)と減少している。
・2位は昨年3位の肥後銀行。前年比+7億1,200万円の54億8,600万円(前年比14.9%増)。増益の要因は、貸出金利息収入の増加および経常費用の減少による。
・3位は西日本シティ銀行。前年比▲28億78,000万円の40億5,900万円(▲41.5%)と大きく減益。
長年2位の座を守っていたが、肥後銀行にその座を奪われている。
・4位は鹿児島銀行。前期比▲1億2,700万円の36億800万円((前年比▲3.4%)と微減。
・5位は大分銀行。前期比▲8億9,600万円の22億9,500万円((前年比▲28.1%)。
・6位は宮崎銀行で、前期比▲9億2,700万円の21億9,900万円((前年比▲29.7%)。大分銀行と同様に大きく減益となっている。
・7位は親和銀行。前期比+3,200万円の16億4,700万円((前年比2.0%増)と微増。
・8位は昨年10位だった熊本銀行。前期比+2億1,100万円の12億1,200万円(前年比21.1%増)。昨年8位の十八銀行、9位だった佐賀銀行を抜いて躍進している。
昨年8位だった十八銀行は4月1日、ふくおかFGと経営統合しその傘下行となった。単体の当期純利益は前期比▲10億9,400万円の6,900万円(▲94.1%)。大幅な減益の要因は、他行への貸出債権譲渡による経常収益の減少や合併にともなう経常費用の増加による。
10位の北九州銀行以下、順位の繰り上がりは、十八銀行が17位に下がったことによる。そのなかで、筑邦銀行は前期比減の多寡により佐賀共栄銀行を抜き、16位から14位に昇格している。
【表2】を見ていただきたい。金融グループ(4社)の19年6月期の当期純利益の順位表である。
~この表から見えるもの~
金融グループ4社の19年6月期の親会社に帰属する当期純利益は、前期比+1,120億9,000万円の1,483億円2,900万円(309.3%増)と大幅な増益となった。この要因は、ふくおかFGが十八銀行と経営統合したことで生じた特別利益「負ののれん発生益」1,174億3,300万円を計上したことによる。
・1位はふくおかFGで前期比+1,144億8,700万円の1,286億7,000万円(807.2%増)。ただ、特別利益を除くと前期比▲29億4,600万円の112億3,700万円(▲20.8%)と、大きく減益となっている。
・2位は九州FGで前期比▲2億3,600万円の73億9,500万円(▲3.1%)の微減。
・3位は山口FGで前期比+4億6,400万円の70億6,600万円(7.0%)と、4社のなかで、ただ1社だけ増加している。
・4位は西日本FHで前期比▲26億2,500万円の51億9,800万円(▲33.6%)と大幅な減益。19年6月期は、「福岡銀行に追いつき追い越せ」と預貸金を大きく増加させたものの、収益に結びついていないのがわかる。今後は量をセーブして質の向上を図ることが求められているようだ。
<まとめ>
九州地銀(18行)の2019年6月期の当期純利益を見ると、当期純利益が前年比プラスの銀行は肥後銀行など5行で10億2,600万円。一方、前年比マイナスの銀行は福岡銀行や西日本シティ銀行など13行で▲85億9,900万円。差し引き前年比▲75億7,300万円の356億2,200万円(▲17.5%)と大幅な減益となっている。
そのなかで、西日本FH傘下の長崎銀行は▲2,000万円の赤字に転落しており、九州地銀の2020年3月期の収益状況は、今後ますます厳しさを増すことになりそうだ。
(つづく)
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