「宇久メガ」着工へ前進も 島民からは水害への懸念の声が
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長崎県佐世保市宇久町で計画されている480MWの大規模メガソーラー事業において、8月末までに、農地転用許可ならびに林地開発許可が県より交付された模様。
今後、9月中の着工に向け、事業が進んでいくものとみられるが、現地作業員の宿泊所建設をめぐっては複数回にわたる住民説明会で反対があり、いまだにその場所が決まっていない。また送電のための海底ケーブルをめぐっては、地元漁協との合意が得られておらず、この点については早急な合意形成が求められる。
とくに作業員の宿泊所については早急に準備しなければならない。工事が進めばピーク時には約1,200人の作業員が島に滞在することになる。それだけ大規模な宿泊所は島にはなく、大型宿泊所の建設が必要となる。すでに島に数十人規模で事業関係者が入っているといい、既存の旅館や民宿に住み込んでいる。ある民宿では年内は事業関係者で満室との話だ。
7月から続いた台風の襲来により、宇久町の農地や河川の複数箇所で被害が発生したことを受け、島民からは同計画による自然環境の変化を懸念する声が伝わってきた。
計画が完了すれば、島の面積の4分の1が太陽光パネルで埋め尽くされることになる。通常、雨水は地面に浸透していくが、パネルがそれを遮断して発電設備の側に設けられた排水路を伝わって川に入っていくことになる。河川に水が集中することにより、いっそう河川への負担が増大し、氾濫の危険性が上がってしまう。
排水計画は十分に練られていると思われるが、これまでにない規模の事業であり、単なる数字の積み上げだけでは安心とはいえないだろう。
このように豪雨についての心配を抱く島民もいるが、実際に役所などに相談をもちかける者は少ないという。それは事業賛成派の島民の存在だ。
狭い島である。仮に役所に相談すれば、話はすぐに広がる。賛成派から見れば事業の妨害と取られかねない。事業の賛否に関わらず、自然環境の変化を懸念しているものの、役所に声が届かないという側面がある。
県によると、事業者による住民説明会は、これまで自治会を含め10回ほど重ねられてきたという。しかし、このように心配の声が挙がるということは、事業概要が一般の住民に十分に浸透していないと考えられる。
【東城 洋平】
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