統計に見る、「多様な働き方」の増加
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総務省は11日、2018年1~3月期の労働力調査を発表した。これによると、非正規職員・従業員は前年同期に比べ100万人増加の2,117万人。男女別に見ると男性670万人、女性1,447万人という結果になった。
特徴的なのはその理由。「自分の都合の良い時間に働きたいから」が全体の29.9%(598万人)を占め、最多。男性では前年同期14万人増(172万人)、女性では同52万人(427万人)も増加している。これに対し、「家系の補助・学費などを得たいから」は女性で同14万人減(315万人)という結果に(図1)。「自分の都合の良い時間に働きたいから」が増加した一因には、ワークライフバランスを重視する傾向や、副業や多様な働き方が認められやすくなったことが考えられる。また、同省は今回から「未活用労働指標」の作成を開始。「未活用労働」とは、失業者に加え、パートタイムなどの就業者のなかで仕事を追加したい者、非労働力人口のなかで、就職を希望しているが、今は求職中でない者などを指す。
この指標が導入された背景には、非正規雇用の増加に見られるように、就業形態が多様化し、雇用・失業情勢を取り巻く環境も一様でなくなるなど、就業をめぐる状況が大きく変化していることが挙げられる。このため、既存の就業者・完全失業者・非労働力人口に加え、就業中ながら、もっと働きたいと考える労働者や、非労働力人口のなかで就業を考える者などが、未活用労働として新たに設定された。
今回の調査値でとくに追加就労希望就業者(※)に焦点を当てると、全体で177万人、うち男性44万人、女性133万人となっている(図1)。年齢別に見ると、男性は15~24歳が最多で12万人(27.3%)、女性は35~44歳が最多で38万人(28.6%)となる(図2)。統計を図るうえでも無視できなくなっている就業情勢の多様化。副業率などが増加すれば、非正規職員数や追加就労希望者数は、今後さらに増加傾向をたどる可能性があるといえるだろう。
※「追加就労希望就業者」:就業時間が35時間未満の就業者のうち、就業時間の追加を希望しており、追加できる者
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