【疑惑まみれの改造内閣】小泉進次郎入閣の打ち上げ花火は世論誘導の姑息な手段
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■「父親と共に反原発を訴えないのか」の質問に無言
第4次安倍再改造内閣が発足した翌12日、初入閣で脚光を浴びた小泉進次郎・環境大臣(38)が福島県庁を訪れて内堀雅雄知事と面談した。中間貯蔵施設や復興などについて意見交換をした後、記者会見にも臨んだが、原発再稼働に邁進する安倍政権のエネルギー政策への釈明はなし。
そこで指名形式の会見終了直後、「原発ゼロを訴える考えはあるのか。官邸の言いなりになるのか。父親と一緒のことを訴えないのか」と声をかけたが、小泉氏は無言のまま記者団に一礼をして立ち去った。
前日の会見でも、原発再稼働の是非について考えを述べない逃げの姿勢を貫いた。全国講演行脚中の小泉純一郎元首相が「再稼動ゼロでも電力不足にならなかった。即時原発ゼロは可能」と明言しているのとは対照的で、原発推進の安倍政権に異論を唱えない「官邸言いなり(忖度)大臣」というのが進次郎氏の実態なのだ。
しかしメディア露出度抜群で選挙で引っ張りだこの「客寄せパンダ」は、今回の内閣改造でも大活躍。自らが大々的に注目を浴びることで、疑惑まみれのアベトモだらけの「お友達内閣」の実態から世間の目をそらす役割をはたしたのだ。
■疑惑の「3T」が新内閣のアキレス腱か
「お友達内閣」の象徴的新閣僚が、加計疑惑にまみれた萩生田光一文科大臣だ。官房副長官時代の2016年、加計学園獣医学部新設について「官邸は絶対やると言っている」などと発言したと記した文科省文書の存在が明らかになり、野党が国会で再三追及。安倍首相と加計孝太郎理事長とスリーショット写真を撮るほどの間柄でもあったが、本人は加計疑惑への関与を否定し続けている。小泉氏のサプライズ入閣がなければ、「臨時国会で萩生田・新文科大臣への追及必至」といったニュースがもっと増えていたに違いないのだ。
安倍首相の歓心を買って抜擢されたようにみえるのは、内閣官房副長官から経済再生担当大臣となった西村康稔氏も同じだ。トランプ大統領の意向を受けた安倍首相がカジノ法案を成立させたのは明らかだが、その実行部隊であるカジノ議連「国際観光産業振興議員連盟」のメンバーとして西村氏は汗をかく一方、米国カジノ業者のアドバイザーからパーティー券購入をしてもらっていることも発覚した。
2018年7月19日号『週刊文春』が「米業者が麻生財務相、官房副長官ら15人に 安倍政権中枢へのカジノ『脱法献金』」と報じたのはこのためだ。
今回の初入閣は13人。中でも国会追及の矢面に立たされるとみられているのが、田中和徳復興大臣と武田良太国家公安委員長、そして竹本直一科学技術担当大臣の3人だ。3人ともTがイニシャルのため、はやくも「3T」と名付けられて不安視されている。
「田中氏が代表を務める政治団体は、かつて暴力団の関連会社にパーティー券を販売。竹本氏は『(力士は)普通のことがあまりできない』と述べて釈明に追われた。武田氏に対しても『発言が危ない』(党幹部)との見方がある」(「失言、スキャンダルを警戒=新閣僚に懸念も、『3T』の声-政府・与党」/9月13日配信の時事通信)。
こうした疑惑まみれの新閣僚が勢揃いしていたのに、若き総理候補の小泉環境大臣就任という打ち上げ花火で世間の関心を逸らす姑息な手段に打って出た官邸。世論誘導にのったマスコミも同罪といえよう。
【横田 一/ジャーナリスト】
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